女子大に理工系ラッシュも…高市政権「理系女子倍増」の裏に立ちはだかる“意外な壁”とは

2040年に予想されているのが理系人材の大幅な不足です。それを補うために、高市政権は「理系女子の倍増」を掲げました。その「受け皿」は広がってきています。しかし、理系女子を増やすことは簡単ではないようです。(画像出典:PIXTA)

理系進学を阻むもう1つの壁「数学嫌い」

さらに、男女問わず存在する「数学への苦手意識」も大きな壁です。城田室長は次のように指摘します。

「駿台にも現役生のためのコースがあって、受験に向けて苦手な科目の対策をしたいという方が多く来られています。なかでも、やはり数学が苦手なので克服したいという方が多いようです」

理工系学部に進もうとすれば、やはり数学の学力は不可欠です。せっかく入学できても、講義についていけず単位を落とす、さらには卒業できないとなれば、キャリアプランそのものが狂ってくることになります。

実際、大学入学後に講義へついていけなくなる学生は多く、大学生を対象とした学習塾が注目を集めるほどです。

高市政権や産業界が理系女子を増やそうとするのなら、そして女子大が理工系学部を新設して入学者を増やそうと考えているのなら、まずは「理数系好き」を増やすことが先決のような気がします。

まさに「急がば回れ」を実践しないことには、高市政権の掲げる目標は「画に描いた餅」にしかならないし、理工系学部を新設した女子大は定員割れという悲劇を招くことになりかねません。

「理数系好きを増やすには、小中高のカリキュラムを変えていく必要があります。カリキュラム自体は変わりつつありますが、数学が苦手な生徒が多い現状を考えると、まだまだ不十分だと言わざるをえません」

城田室長も、根本的なところから変えていく必要性を強調します。高市政権や産業界、そして女子大が「理系女子歓迎」の笛太鼓をかき鳴らしてみても、果たして女子高校生がなびいていくのか疑問と言わざるをえません。
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前屋 毅
この記事の執筆者: 前屋 毅
フリージャーナリスト
1954年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業。立花隆氏、田原総一朗氏の取材スタッフ、『週刊ポスト』記者を経てフリーに。最新刊『学校が合わない子どもたち~それは本当に子ども自身や親の育て方の問題なのか』(青春新書)。ほかに『教師をやめる』(学事出版)、『疑問だらけの幼保無償化』(扶桑社新書)、『学校の面白いを歩いてみた。』(エッセンシャル出版社)、『教育現場の7大問題』(kkベストセラーズ)、『ほんとうの教育をとりもどす』(共栄書房)、『ブラック化する学校』(青春新書)、『学校が学習塾にのみこまれる日』『全証言 東芝クレーマー事件』など。 ...続きを読む
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