ヒナタカの雑食系映画論 第171回

2025年は「日本のホラー映画」が大豊作! “怖いだけではない12作品”を全力紹介してみた

2025年に公開される、「日本のホラー映画12選」を一挙に紹介しましょう! バラエティー豊かな「怖いだけではない」作品が勢ぞろいしていることも、ぜひ推したいのです。(画像出典:(C)2025「見える子ちゃん」製作委員会 (C) 2025「ぶぶ漬けどうどす」製作委員会 (C) 2025「きさらぎ駅 Re:」製作委員会)

7:『事故物件ゾク 恐い間取り』7月25日公開


お笑い芸人・松原タニシの書籍を原作とした映画の第2弾です。内容は「事故物件住みますタレント」として活動する青年が、番組やSNS用のネタ欲しさに事故物件を転々としていく最中で、優しく人1倍憑りつかれやすい体質の彼に怪奇現象が次々と襲いかかる……というもの。

前作は、大スターである亀梨和也が、“売れない芸人”という真逆の役柄を演じていることも魅力的でしたが、本作で映画単独初主演となるSnow Man・渡辺翔太の演技も見どころとなるでしょう。2020年に公開された前作はホラーでありながらコメディーテイストもあり、「爆笑もののクライマックス」も待ち受けていましたが、今回はどうなっているでしょうか……?

8:『近畿地方のある場所について』8月8日公開


Web小説サイト「カクヨム」で累計2000万PVを突破した人気作が待望の映画化。主演は菅野美穂と赤楚衛二です。監督は『貞子vs伽椰子』『サユリ』などで知られる白石晃士で、ホラーファンからは「まさに理想の人選」「この組み合わせなら安心」といった声が多数寄せられているそう。

なぜなら、原作者の背筋が、白石監督の『ノロイ』に強い影響を受けていることを自ら明言しており、『ノロイ』と『近畿地方』には「複数の不可解な情報を繋ぎ合わせていくとじわじわと恐ろしい“何か”が見えてくる」という共通の恐怖があるからです。フィクションながら、「本当にあったこと」という体裁で進んでいくリアリズムと恐怖をまとった原作が、どのように映像化されるのか、とても期待しています。

9:『8番出口』8月29日公開


同名のインディーズゲームが原作の映画化作品で、「迷い込んだ無限回廊からの脱出を目指す」内容になっているようです。原作のゲームは「異変を見つけたら引き返す」「異変が見つからなかったら前に進む」というルールの元で進行する一種の「間違え探し」のような作品でしたが、映画ではそれをどのように物語として落とし込んでいるのかが気になるところ。

若者の間で大ブームとなったホラーコンテンツの実写映画化といえば『変な家』がありますし、主演・二宮和也というバリューもあるので、大ヒットが期待できます。第78回カンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門に正式招待され、上映後に2300人総立ちの拍手と大歓声を浴びたというニュースもあるため、映画としての出来栄えにも注目です。
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『カラダ探し THE LAST NIGHT』
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