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シリーズ初見でもOK。リスペクトと工夫に感服!
結論から申し上げれば、「ディ・モールトベネ(非常に良しッ)!」な映画でした。人気を博したテレビドラマ版の魅力を引き継ぎつつ、今回は「邦画初イタリア・ヴェネツィア、オールロケ敢行」というバリューも加わり、スクリーンに美しい光景が映える劇場版としての見応えも存分。そして、「原作をこう再現し、こう変えたのか!」と、原作へのリスペクトと映画化での工夫に感服しました。
注意点としては、G(全年齢)指定で直接的な残酷描写はほぼないものの、“精神的に来る”タイプの心理表現があることと、イタリア語に日本語字幕が映される場面もあるため、少なくとも漢字が読める年齢以上が推奨、というくらいでしょうか。それでも、後述するようにホッとひと息がつける場面もあり、重くなりすぎないバランスの作品にもなっています。
予備知識をほとんど必要としない、分かりやすい内容でもありますが、それでも『岸辺露伴』シリーズを知らない人、あるいは原作漫画の該当エピソードを読んだことがある人に向けて、ネタバレのない範囲で事前に知ってほしい魅力を3つに分けてまとめてみます。
1:「ポップコーン対決」を完全再現! 全身全霊で挑む大東駿介が素晴らしい
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』、およびスピンオフ『岸辺露伴は動かない』シリーズの魅力として、その筆頭は「明確なロジックのある駆け引き」です。バトルのはじめには「不可解な現象に巻き込まれる」不条理さや恐怖がある一方、その現象の「ルール」や戦いの相手の「能力」を把握した後に、「頭脳戦」や「一進一退の攻防」が展開するのです。
感服したのは、原作の「再現度」はもちろん、実写映像作品における「時間感覚」を意識したであろう「編集」です。原作は漫画作品であるので、ポップコーンを投げて落ちてくるまでの短い時間であっても、その間の「心理」を丹念に描くことが可能ですが、リアルな時間の流れがある実写映像で安易に再現してしまうと「なかなかポップコーンが落ちて来ないな」といった違和感を感じてしまう可能性もあったでしょう。
後述するように俳優全員が素晴らしいのですが、この試練に挑む大東駿介は今作のMVPではないでしょうか。ポップコーンに必死に「食らいつこう」とする、文字通りに全身全霊で挑んでいることがスクリーンから伝わってくるのです。
また、撮影時にポップコーンを実際に投げてはいるものの、その細かな挙動は後からCGとして足しているため、大東駿介は実質的に「見えないポップコーンを想像して芝居をしなければならない」状況だったのだそうです。
大東駿介がスタッフと共に本気で作り上げたポップコーン対決は、原作で読んでいた人はその再現ぶりに感動し、読んでいない人は新鮮で奇抜なバトルとして楽しめるはず。このシーンを取り上げるだけでも「100点満点の実写化」と断言できます。



