ヒナタカの雑食系映画論 第60回

2023年の「日本アニメ映画ベスト10」をランキング化してみた。年末年始は映画館で1位と4位を見てほしい

2023年は、日本のアニメ映画の歴史的傑作が続々と誕生した、すごい1年でした。そのベスト10を紹介しましょう。※画像出典:(C) 2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 (C) 2013 石塚真一/小学館

ブルージャイアント
『BLUE GIANT』 原作​:石塚真一「BLUE GIANT」(小学館「ビッグコミック」連載)
(C) 2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 (C) 2013 石塚真一/小学館
皆さんの2023年は、どんな年だったでしょうか。映画をたくさん見ている身としては、とにかく「日本のアニメ映画がすごかった!」と掛け値なしに思える年でした。

ここでは個人的な独断による、2023年の日本のアニメ映画ベスト10を紹介しましょう。

10位:『SAND LAND(サンドランド)』

『ドラゴンボール』でおなじみの鳥山明による、2000年に連載された同名漫画のアニメ映画化作品。3DCGアニメだからこその奥行き感を生かした本格的な戦車アクション、目的の場所へ仲間と共に旅をする王道の冒険活劇、かわいい&かっこいいキャラクターの活躍など、万人におすすめできる要素がそろっていました。

「偏見」と「善と悪」の本質を鋭く訴えた物語は、原作から20年の時が流れた今、語り直される意義が間違いなくあると思えました。テンポがややゆったりに感じる部分もありましたが、それも世界観を示すために必要なものだったでしょう。なお、『SAND LAND』のアニメシリーズが2024年春にDisney+(ディズニープラス)で独占配信決定しているほか、ゲーム化も発表されています。

9位:『火の鳥 エデンの花』

手塚治虫の名作『火の鳥』の「望郷編」をアニメ映画化。未開の惑星で生活を始めたカップルが、やがて悲劇的な状況に陥り、その後は「生命」を巡る壮大な物語へと転換していきます。原作では序盤から人によっては拒否感を覚えてしまうインモラルな要素もありましたが、今回はそこをマイルドにしつつ本質を外さないアレンジが施されていました。

かなり不気味で怖い表現もあるため、はっきり大人向け。シンプルにも見えるアニメの表現や演出、唐突にも思える要素や悲劇性も含めて賛否は分かれていますが、どこか冷たく無機質な印象がハマれば忘れられない作品になるでしょう。また、現在Disney+では『火の鳥 エデンの宙(そら)』というタイトルの全4話構成のアニメとして配信されており、劇場公開された『エデンの花』とはエンディングがガラリと変わっています。

さらに、手塚治虫が「原作の原作」を手掛けたアニメシリーズ『PLUTO』がNetflixで配信中。こちらは入念に描きこまれたアニメ表現による、複雑で重厚なサスペンスドラマが大きな魅力。今回の『火の鳥』と見比べると、アニメ表現の方向性の違いをより感じて面白く見られるでしょう。

【関連記事】Netflixアニメ『PLUTO』解説! 悲劇的な争いが絶えない現代こそ突き刺さる「ロボットの切実な感情」
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