アニメも関係性萌えがたっぷり
こうした関係性萌えは、やはりテレビアニメでも絶好調。学園ドラマかと思いきや絶望的な展開も話題となった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(MBS/TBS系ほか)や、グイグイ来るタイプのお姉さんとかわいい男の子の関係性が大人にも刺さった『ひろがるスカイ!プリキュア』(ABCテレビ・テレビ朝日系ほか)も強い支持を集めています。さらには、前述した『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のように、女性の方が気が強く(もしくは物理的にも強く)、男性がサポート的な立場であったり、自分らしさを持ちながらも大切なパートナーになる作品も増えています。“陽キャ”でモデルの仕事をしている女の子と、“陰キャ”な男の子の恋愛をつづった漫画およびテレビアニメ『僕の心のヤバイやつ』(テレビ朝日系ほか)も、そのタイプの恋愛ものといえるでしょう。
さらに、Twitterではシンプルかつ特別な関係を描いた漫画が注目され、たくさん読まれてもいます。SNSでもキャラ萌えや関係性萌えはメインストリーム。その影響が、映画やアニメにも確実に表れているのかもしれません。
もちろん、究極的にはどんな創作物も人間同士のドラマを描いているので、キャラ萌えや関係性萌えはあらゆる物語にもあるともいえます。しかしながら、そうした面を強調した、ファンの心理をつかむ作品が人気を博しているのも事実。『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の灰原哀と他キャラクターとの掛け合いに良い意味でもん絶している人も、ぜひ他作品の関係性にも萌え転がってほしいと心から願います。
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【参考】
・劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』公式サイト