意外と知らないグルメのひみつ 第25回

魚の“生臭さ”を取るにはどうしたらいい? 「塩・酢・お湯」3つの方法で下ごしらえしてみた

【調理師免許を持つグルメライターが解説】魚を料理するとき、「何だか生臭い……」と感じることはありませんか?あのツンとした“魚臭さ”はおもに「トリメチルアミン」という成分が原因。下ごしらえには何が有効なのでしょうか?

下処理後はフライパンで焼いてみる


3つの方法で下ごしらえしたサワラをいよいよ調理! 味付けのため、全てに再度軽く塩を振り、フライパンで皮目から焼いてみました。
 

完成! 生臭さがなくなったのは、どの方法?


1:【塩を振る】焼く前にサッと塩を洗い流しましたが、内部まで塩気が浸透しているからか、塩の味が強めです。生臭さは感じませんでした。
 
2:【酢で洗う】酸味は完全に飛んでいます。食べてみると身は柔らか。しかし、後味が多少生臭いような気がします。
 
3:【湯洗い(霜降り)】生臭さは特に感じられません。焼いた皮の香ばしさも感じられます。身はふわっとしていますが、若干水っぽさが残りますね。
 

【結論】下ごしらえは、調理法によって変えるのがベター

魚の生臭さを取るため、3種類の下ごしらえを試してみて分かったのは「調理法によって変えるのがベター」ということ。
 

1:【塩を振る】水分を出すことでうま味を凝縮させる塩のおかげで、生臭さはまったく感じませんでした。塩焼きや炒め物に使う場合などはこの方法が一番おすすめ。ただ塩味が多少強いようにも感じます。今回のように2~3%の塩ではなく、1%でも十分かもしれません。
 
2:【酢で洗う】多少生臭さは残るものの、サワラのうま味を一番はっきりと感じられたのはお酢で洗う方法。減塩が必要な人や、魚にソースやタレをかけて食べる料理の場合は、塩よりもお酢が良いのではないかと思います。
 
3:【湯洗い(霜降り)】煮魚にするなど、汁気の多い調理をするなら湯洗いがぴったり。血合いやぬめりなどを含む生臭さのもとを洗い流しておくことで、煮汁も濁らずきれいに仕上がります。
 

魚は「生のまま保存」ではなく、「焼いてほぐして冷凍保存」がおすすめ

とはいえ、魚は賞味期限を待たず、なるべく早く調理した方がおいしいはず。もし「魚を買ってはみたものの食べきれない」という場合は、まとめて塩焼きにしてしまいましょう。



焼いてから身をほぐし、冷凍しておけば、魚の混ぜご飯やお茶漬けなどに使えます。ぜひ試してみてくださいね。


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