意外と知らないグルメのひみつ 第9回

「豚こま肉」と「切り落とし肉」の違いって? 豚肉の部位はどう使い分ければいい?【グルメライターが解説】

【調理師免許を持つグルメライターが解説】煮ても焼いても蒸してもおいしい「豚肉」。栄養も豊富で、糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンB1がたっぷりです。ロース、もも、バラ肉の使い分けや、豚こまと切り落とし肉の違いなどを解説します!

煮ても焼いても蒸してもおいしい、自宅でも外食でもポピュラーな「豚肉」。おいしいだけでなく栄養も豊富で、糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンB1がたっぷり。米を主食とする日本人には欠かせない食材です。今回は、調理師免許を持つグルメライターの筆者が、豚肉の部位と、おすすめの調理法を紹介。豚肉をよりおいしく食べるため、肉質や特徴を詳しく見ていきましょう!

 

豚肉の部位を見てみよう


まずは豚肉の部位をイラストで紹介します。スーパーでよく見るのは、バラ肉やもも肉ではないでしょうか。

塊肉、薄切り肉など多種多様なカット売りが並んでいます。もも肉は利用範囲が広いため、外ももと内ももに分けて卸されます。ロースやヒレといった名称は、トンカツのメニューでもよく見かけますね。ここからはそれぞれの部位について、順番に解説します。

 

「ネック」は焼肉屋でよく見るメニュー。「豚トロ」などとも呼ばれる


「ネック」はその名の通り、豚の首回りの肉のこと。脂肪が多く、赤身部分が硬くしまっているのが特徴です。

マグロのトロのように脂がおいしいことから「豚トロ」、またはポークのPから「ピートロ」などとも呼ばれており、焼肉の定番メニューとしても人気があります。おすすめの料理はやはり、適度に脂を落とせる焼肉です。

 

赤身と脂肪のバランスが良い「ロース」


赤身と脂肪のバランスがほどよく取れているのが「ロース」。きめ細かな肉質で、脂肪にはうま味とコクが豊富に含まれています。
 

赤身と脂肪が肉全体に混ざっているのが「肩ロース」。よく動く肩に近いことから肉質は少し硬めですが、豚肉らしい味わいを楽しむことができます。
 


幅広い調理法が楽しめるロース肉は、スーパーではさまざまな形状で販売されていることも多い肉です。塊肉ならじっくり火を入れてローストポークや焼き豚に。薄切りの肉なら生姜焼きやしゃぶしゃぶ、炒めものにも利用できます。
 
ちなみに、豚肉に多く含まれているビタミンB1はタマネギと一緒に炒めるのが効果的。タマネギに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収をサポートしてくれます。

 

1頭あたり1kgしか取れない希少部位「ヒレ」


豚1頭は100kgほどの大きさですが、たった1kgしか取れない希少な部位の「ヒレ肉」。豚肉の中でも脂肪が少なく、柔らかな肉質で、ビタミンB1が1番多く含まれているのもこの部位です。
 


味わいは淡白であっさり。ヒレカツやステーキなど、油を使う料理と好相性です。

 

あばら骨の周りにあるから「バラ肉」


あばら骨の周りにあることから名付けられた「バラ肉」。赤身と脂肪が3層になっていることから「三枚肉」とも呼ばれています。「スペアリブ」はあばら骨がついたままの状態のものを示します。


豚肉の甘みや風味を楽しむことができる部位。煮込んでも硬くなりにくいため、角煮やカレーなどの煮込みにもぴったりです。スライスしたものは、炒めものやソテーにも。ロースと同様、さまざまな料理に利用ができます。

 

高タンパク・低脂肪な「もも肉」


脂肪が少なく、赤身がメインの「もも肉」。ヒレ肉の次にビタミンB1が多く、高タンパク・低脂肪のヘルシーな部位です。
 
後ろ脚に近い内ももは、淡い色合いで柔らかい肉質が特徴。ボンレスハムの原料にも使われています。塊肉ならローストポークや焼き豚に、スライス肉なら蒸しものにおすすめです。外ももは運動量が多い部分なので、内ももより少し硬めの肉質。噛み応えを活かしてソテーや炒めものに使うのがいいですね。

 

「豚こま肉」と「切り落とし肉」は何が違うの? 


店頭でよく見かける「豚こま肉」や「切り落とし肉」。「豚こま肉」はバラやももなど、さまざまな部位の切れ端を集めたもので、「切り落とし肉」はスライスする際に出た肉のことなんです。

部位の割合などはその店の精肉状況によっても異なります。豚こま肉は特にいろいろな部位が一緒に食べられるので、コクやうま味もたっぷり。豚肉のおいしさを1番味わえるのは、もしかしたら豚こま肉かもしれませんね。

 

煮込むほどにうま味が増す「すね肉」


内ももの下の部分にある「すね肉」。スーパーではあまり見かけませんが、精肉店などでは人気のある部位です。調理前は硬くて筋っぽいですが、じっくりと煮込めばほろほろと柔らかくなり、骨から出るエキスでうま味もしっかりと味わえます。

 
写真は塩漬けにした豚すね肉を煮込んだドイツの家庭料理「アイスバイン」。ザワークラフトと一緒に、マスタードをつけて食べるのが特徴です。

 

部位の特徴を知って、上手に使い分けよう!


今回は主要な豚肉の部位を紹介してきました。同じ生姜焼きでも、バラ肉を使うかもも肉を使うかで、食感も味わいも違ったものになりますね。

こってり仕上げが良いならバラ肉を、あっさり食べたいならもも肉……と、好みにより使い分けても良いのではないでしょうか。 この他にも、モツやホルモンなど種類豊富な豚肉の部位。焼肉店などに行ったら、いろいろ調べながら注文するのも面白いかもしれませんね。



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