意外と知らないグルメのひみつ 第25回

魚の“生臭さ”を取るにはどうしたらいい? 「塩・酢・お湯」3つの方法で下ごしらえしてみた

【調理師免許を持つグルメライターが解説】魚を料理するとき、「何だか生臭い……」と感じることはありませんか?あのツンとした“魚臭さ”はおもに「トリメチルアミン」という成分が原因。下ごしらえには何が有効なのでしょうか?

1:【塩を振る】10分前後置き、浸透圧で余分な水分を出す

塩を振り、余分な水分と一緒に生臭さを取る

まずは、塩で生臭さを取る方法。魚の重さの2~3%の塩を全体にまぶし、そのまま10分放置します。これ以上置くと、水分だけでなく魚のうま味成分も流れ出してしまうので注意です。今回の切り身は51gだったため、塩は1.5gを使いました。
 

10分後にサッと洗って塩と水気を拭き取ると、表面に粘度が出てペタペタした感触に変わっていました。これは魚のタンパク質が塩によって溶け出してきたからなんですね。この時点で、生臭さはまだ多少残っています。
 

2:【酢で洗う】薄めたお酢でサッと洗う

お酢で洗うとどうなる?

「お酢で洗う方法」は、筆者が以前勤めていた総菜店で「サバの塩焼き」を作るときに行っていました。容器にお酢大さじ2杯を入れ、水で5倍に薄めます。ここにサワラを入れて軽く洗えばOKです。
 

見た目はあまり変わりません。しかし、拭き取ってもお酢の香りは残っています。酸味は加熱すると消えるはずですが、どうなるでしょうか。
 

3:【湯洗い(霜降り)】80℃前後のお湯でサッと洗う

湯洗い(霜降り)するとどうなる?

沸かしたお湯に入れて軽く洗う方法は、魚のアラの下処理によく使われます。魚のエラなどに残った血合いや臭みを取り除けるそう。

お湯の温度は80℃前後に。これ以上高温にすると魚の細胞が壊れてしまい、うま味が流れ出してしまいます。
 

生臭さはほぼなくなりました。ただ、身の薄い部分がめくれ上がったり、皮が傷ついたりしてしまいました。切り身の焼き魚をきれいに仕上げたい場合、この方法は向かないかもしれません。


>次のページ:フライパンで焼いて実食。生臭さがなくなったのはどれ?


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