世界を知れば日本が見える 第14回

なぜアメリカは「TikTok」を警戒するのか、他のSNSとの違いは

世界で10億以上のユーザーが利用する中国系の動画投稿アプリ「TikTok」だが、アメリカのバイデン大統領が政府などでの禁止措置に動くなど、議論は続いている。日本でも人気の高いTikTokだが、実際のところどれほどリスクがあるのだろうか。

アメリカはTikTokの何を警戒しているのか

ただこんな疑問が湧く。日本でも人気の高いこのTikTokは、実際のところどれほどリスクがあるのか。規制の急先鋒であるアメリカは、いったい何を警戒しているのか。
 

これについては意見が割れているのが実情で、情報戦の様相にもなっている。これまで、TikTok運営のバイトダンス職員からの情報や、元従業員の内部告発、欧米のセキュリティ会社などによる検証で、TikTokのデータは同社の内外で不正に扱われていると指摘されてきた。そして、中国政府がユーザーのデータを入手できてしまう可能性が高いとも批判されており、アメリカ政府や議会、自治体、大学などが排除に動いている。
 

例えば直近では、米ウォールストリート・ジャーナル紙が、バイトダンスの従業員が、ジャーナリスト2人のアカウントに不適切にアクセスしていたことが判明したと報じている
 

また少しさかのぼると、2019年にアメリカ国内で争われたTikTokユーザーが訴えた裁判でも、動画そのものや位置情報、ユーザーの年齢から性別、電話番号、電話帳の情報、検索履歴、スマートフォンのシリアルナンバー、IPアドレス、チャットなどのメッセージまでが、TikTok側に送られてしまうと指摘している。
 

事実、利用規約にもデータにアクセスし、政府の問い合わせがあればユーザーデータや位置情報などのユーザーの情報を提供すると記載されている。そして、中国には国内法で中国企業は情報機関にデータを当局に提供すると取り決めた「国家情報法」があるために、個人データが中国政府に渡ると懸念されている。


>次ページ:バイトダンス側の言い分は
 

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