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5:「インセル」への批評でもあるからこそ、デートにもおすすめかもしれない
本作は「インセル」への批評にもなっているとも言えます。インセルとは、異性との交際や性的な関係を望みながら、そうできない男性やコミュニティーを指す言葉であり、女性への嫌悪や過激な言動へつながる問題が指摘されています。主人公の青年は、基本的には真面目で繊細であり、数々の事態に翻弄(ほんろう)されるため同情したくなる一方、「想い人を自分が好きなようにできている」ことに耽溺(たんでき)している印象もあります。
本作の物語は完全にフィクションかつ現実離れした展開もありながらも、誰もがインセルに足を踏み入れる危険性があると示している、それもまた怖い作品とも言えるでしょう。
だからこそ、劇中の出来事は「パートナーの気持ちを考えた行動ができているだろうか」「自分本位のことばかりしていないだろうか」と考えるきっかけとなり、その意味では大切な人との関係を見つめ直すきっかけにもなるため、デートにもおすすめの作品と言えるのです。
なお、タイトルの「obsession」とは「強迫観念」「妄想」「執着」を意味する言葉です。何かに強く執着することは「愛」とも言えますが、その愛が時に災害のような惨事を引き起こすということは……それもまた現実にあり得ることですし、日本版のサブタイトルにある「災愛」にも表れていると言えるでしょう。
同じくYouTuber監督作&願いがテーマの『ブリング・ハー・バック』も要チェック!
さらに、同じくYouTuber出身の監督が手掛け、さらには物語の中心に「願い」があるという大きな共通項のあるホラー映画『ブリング・ハー・バック』が7月10日より劇場公開中です。 こちらはR15+指定でもギリギリと思えるほどのショッキングかつ「痛い」描写がありながらも、目の不自由な妹のためにお兄ちゃんが奮闘する、感情移入しやすい内容になっていました。「親切な里親」役が『シェイプ・オブ・ウォーター』や『パディントン』のサリー・ホーキンスという「良い人に見える」キャスティングが活きていますし、監督コンビの前作『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』にあった苛烈で勢いのある演出もとても面白く仕上がっていました。 さらにさらに、こちらもまたYouTuber出身の監督(弱冠20歳!)が手がけたホラー映画『バックルームズ』が世界興行収入3億5000万ドル(約568億円)に到達する大ヒットとなっており、日本では9月4日公開予定となっています。 ともかく、映像というエンタメにおいて最前線にいるYouTuberが、映画でも興行的な記録を塗り替えていることは、歴史的な転換点であると思います。ぜひ、『ブリング・ハー・バック』と『オブセッション 災愛』の本編を見てこそ、そのことを実感してほしいです。
この記事の執筆者:
ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。
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