ヒナタカの雑食系映画論 第231回

『スーパーガール』が「思っていたのとは違った」映画になった5つの理由。前作『スーパーマン』は見ておくべき?

映画『スーパーガール』は「見る前のイメージとは異なる」特徴のある作品だと思えました。『マッドマックス』のような世界観や、クレイグ・ギレスピー監督の作家性などに、その理由があると思うのです。(※:画像出典: (C) & TM DC (C) 2026 WBEI)

スーパーガール
『スーパーガール』 公開日:2026年6月26日(金) 日米同時公開 配給:東和ピクチャーズ・東宝 (C) & TM DC (C) 2026 WBEI
6月26日より『スーパーガール』が劇場公開中。本作は2025年の映画『スーパーマン』と世界観を同じくする、「新生DCユニバース」の第2弾です。 アメリカンコミックのヒーロー、それも女性が活躍するアクション映画と聞けば、「痛快無比」な「アガる」内容を期待する人も多いのではないでしょうか。

しかし、そのイメージとはやや異なること、身構えておくべきこともある作品だと思ったのです。5つのポイントから解説しましょう。

1:『マッドマックス』に近い、意外にダウナーな復讐劇だった

まず、筆者個人は、本作に「けっこうダウナー」な印象を抱きました

もちろん、思わず笑ってしまうコミカルなシーン、ダイナミックなアクションの見せ場はありますし、「この夏、スーパーガールがぶちかます!」というキャッチコピー通りのカタルシスもちゃんと用意されています。
スーパーガール
(C) & TM DC (C) 2026 WBEI
しかし……物語は冒頭から「13歳の少女が家族を惨殺される悲劇」がはっきりと描かれる、「復讐劇」です。どこか乾いたような画のタッチ、後述する「我慢」が長めに続くような展開も含めて「西部劇」というジャンルを思い起こさせました。

さらに、主人公のアウトローな印象や、退廃的な世界観からは『マッドマックス』シリーズを連想しますし、「前作とはテイストが異なる」「女性が主人公の復讐劇」という点を鑑みると『マッドマックス:フュリオサ』にかなり近い内容と言えます。 宇宙の悪党集団“ブリガンズ”のリーダーである“クレム”が、「顔にブツブツがある」見た目で恐ろしく、その行動も非道そのものだったりもします。
スーパーガール
(C) & TM DC (C) 2026 WBEI
直接的な残酷描写はほぼなくG(全年齢)指定ではあるのですが、あまりに小さいお子さんには怖すぎるのかもしれないと、留意したほうがいいでしょう。

2:前作『スーパーマン』の事前鑑賞をおすすめしたい理由も

本作はタイトル通り、スーパーガールというヒーローの「単独」の作品であり、他作品との物語のつながりもほぼないため、今回から見ても問題なく楽しめるでしょう。
スーパーガール
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しかしながら、前述したように作品全体の雰囲気がややダウナーで、ストレートなヒーローの活躍を描いた前作『スーパーマン』の“対比”のような印象もありますし、「ヒーロー映画の定石をあえて外す」ような展開や半ばメタフィクション的なセリフも見受けられました

そのため、「他の王道的な面白さのあるヒーロー映画を見慣れておいたほうがいいかもしれない」内容とも言えるのです。

少なくとも、スーパーガールとスーパーマンという2人のヒーローの「過去も含めた価値観の違い(あるいは一致していること)」を鑑みてこそ、今回の物語がより味わい深くなるため、前作『スーパーマン』だけでも、事前に鑑賞しておくことをおすすめします。 例えば、予告編のセリフで「いとこ(スーパーマン)と私は全く違うの。彼は人の善を見抜く。私は真実を見抜く」とあるように、主人公のスーパーガールは「自分はスーパーマンとは違う」ことをたびたび語っています。

また、スーパーマンは赤ん坊の頃に地球へ来ているのですが、スーパーガールは多くの作品で(今回も)は少女あるいは大人へと成長してから地球へ到着しているため、故郷や家族を失ったこと絶望やトラウマがスーパーマンよりも深い、ということでもあるのです。
スーパーガール
(C) & TM DC (C) 2026 WBEI
また、今回の映画の舞台のほとんどは地球ではない別の惑星や宇宙空間であり、そもそもが「日常の世界の中で人々を助けてくれる」ヒーローの活躍とははっきり異なリます。

2015年から6シーズンが作られたドラマ版の『SUPERGIRL/スーパーガール』ではマスメディアで働きながらもヒーローとして活躍する姿が描かれている、『プラダを着た悪魔』のように社会人が共感しやすい物語が紡がれていました。
こちらの「王道」とも言えるスーパーガールの姿を、今回の映画と併せて見てもいいかもしれません。
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『アイ,トーニャ』『クルエラ』の監督の作家性にマッチしている
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