しかし、そのイメージとはやや異なること、身構えておくべきこともある作品だと思ったのです。5つのポイントから解説しましょう。
1:『マッドマックス』に近い、意外にダウナーな復讐劇だった
まず、筆者個人は、本作に「けっこうダウナー」な印象を抱きました。もちろん、思わず笑ってしまうコミカルなシーン、ダイナミックなアクションの見せ場はありますし、「この夏、スーパーガールがぶちかます!」というキャッチコピー通りのカタルシスもちゃんと用意されています。
さらに、主人公のアウトローな印象や、退廃的な世界観からは『マッドマックス』シリーズを連想しますし、「前作とはテイストが異なる」「女性が主人公の復讐劇」という点を鑑みると『マッドマックス:フュリオサ』にかなり近い内容と言えます。 宇宙の悪党集団“ブリガンズ”のリーダーである“クレム”が、「顔にブツブツがある」見た目で恐ろしく、その行動も非道そのものだったりもします。
2:前作『スーパーマン』の事前鑑賞をおすすめしたい理由も
本作はタイトル通り、スーパーガールというヒーローの「単独」の作品であり、他作品との物語のつながりもほぼないため、今回から見ても問題なく楽しめるでしょう。
そのため、「他の王道的な面白さのあるヒーロー映画を見慣れておいたほうがいいかもしれない」内容とも言えるのです。
少なくとも、スーパーガールとスーパーマンという2人のヒーローの「過去も含めた価値観の違い(あるいは一致していること)」を鑑みてこそ、今回の物語がより味わい深くなるため、前作『スーパーマン』だけでも、事前に鑑賞しておくことをおすすめします。 例えば、予告編のセリフで「いとこ(スーパーマン)と私は全く違うの。彼は人の善を見抜く。私は真実を見抜く」とあるように、主人公のスーパーガールは「自分はスーパーマンとは違う」ことをたびたび語っています。
また、スーパーマンは赤ん坊の頃に地球へ来ているのですが、スーパーガールは多くの作品で(今回も)は少女あるいは大人へと成長してから地球へ到着しているため、故郷や家族を失ったこと絶望やトラウマがスーパーマンよりも深い、ということでもあるのです。
2015年から6シーズンが作られたドラマ版の『SUPERGIRL/スーパーガール』ではマスメディアで働きながらもヒーローとして活躍する姿が描かれている、『プラダを着た悪魔』のように社会人が共感しやすい物語が紡がれていました。 こちらの「王道」とも言えるスーパーガールの姿を、今回の映画と併せて見てもいいかもしれません。



