5:『KUBO』の監督の愛がハンパない! 宮崎駿監督からの影響も
主演ニコラス・ガリツィンと共に覚えてほしい名前は、何しろ監督のトラヴィス・ナイトです。特に、トラヴィス監督による2016年公開のストップモーションアニメ映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』はアカデミー長編アニメ映画賞とアカデミー視覚効果賞にノミネートされ、日本でも口コミで話題になった、筆者個人としてはオールタイムベストに挙げるほどの大傑作でした。 トラヴィス・ナイト監督が幼少期に⽇本を訪れた経験を明かすインタビュー映像が公開されており、動画では『KUBO』を含む初期の作品が、⿊澤明監督作品や宮崎駿監督作、漫画『⼦連れ狼』などから多⼤な影響を受けていることを公言しています。
今回の『マスターズ・オブ・ユニバース』では、空⾶ぶジェットスキー「スカイスレッド」に乗っての戦闘シーンは、1984年の映画『⾵の⾕のナウシカ』の「素晴らしい⾶⾏機のようなテイストを持ち込みたいと思った」と語っているのです。 日本へのリスペクトを告げながらも、もちろん『マスターズ・オブ・ユニバース』への愛も途轍もないものです。この企画そのものに「本当に夢がかなったようなもの」「アニメを観て、おもちゃで遊び、コミックも読んでいた」「それが現実世界で再現されていくのを見るのは不思議なほど感動的」とまで語っていたりもします。
思えば、ナイト監督は2018年公開の実写映画『バンブルビー』でも高い評価を得ていましたが、そちらも原作のおもちゃへの愛とリスペクトがたっぷりで、かつ脚本家のクリス・バトラーと組んでこその物語の完成度もとてつもなく高く仕上がっていました。それらが今回の『マスターズ・オブ・ユニーバース』でも共通していたのです。 最後に、あえて本作の難点を言えば、前述したマッチョイズムの批評が、やや単純すぎる結論に落ち着いているようにも思えるところでしょうか。
ここは原作のキャラクター(特に悪役であるスケルター)へのリスペクトとの兼ね合いで作り手も悩んだところではあるのでしょうが、もう少し納得しやすいバランスもあったのではないか、とも思います。
それでも、本作は万人向けのエンタメとして、特に映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』のファンや1980年代の映画が好きな人に届いてほしいと願わずはいられません。ライバル作品が多いですが、ぜひ優先的に劇場へ駆けつけてください。
この記事の執筆者:
ヒナタカ
映画 ガイド
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。
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