9:『ニモーナ』
グラフィックノベルを原作とした作品で、第96回アカデミー長編アニメーション映画賞にノミネートされたこちらは、濡れ衣を着せられてしまった騎士と、変幻自在の能力を持つ少女との冒険が描かれています。衣装や建築物は中世を思わせながらも、SNSが存在する現代が「ハイブリッド」されたような世界観が斬新で、逃亡劇の最中で描かれるバラエティー豊かなアイデアに満ちたアクションをたっぷり楽しめる内容になっていました。
さらには、主人公の騎士に男性の恋人がいるなど、LGBTQ+のメインキャラクターが登場していて、さらには悪しき慣習や偏見を覆すために奮闘する、現代にふさわしい物語にもなっていました。ヒロインのニモーナの勝ち気を通り越して傍若無人なキャラと活躍は痛快無比ではありますが、彼女の辛い過去には胸を締めつけられます。表向きはめちゃくちゃ楽しいし痛快だけど、実は切なさが隠されていることが『超かぐや姫!』と共通していますよ。
10:『ミッチェル家とマシンの反乱』
AIが暴走し、ほぼ全ての人類が捕獲された状況で「家族が世界の危機に立ち向かう冒険活劇」が描かれるアニメ映画です。本作は他配信サービスでもレンタルでの視聴が可能な他、Blu-rayソフトも発売されています。日本人であれば劇場版『クレヨンしんちゃん』シリーズを思わせる状況で、ハイスピードで繰り出されるアクション、ハイテンションなギャグ、予想の斜め上のサプライズと、見事な伏線回収をしてからの大感動の家族愛も描かれるという、万人に文句なしにおすすめできる超娯楽作に仕上がっていました。
注目は、主人公の少女のケイティが胸につけている缶バッジが、LGBTQ+の尊厳と社会運動を象徴する「レインボーフラッグ」を思わせる「虹色」になっているなど、彼女がレズビアンまたはバイセクシュアルと示す描写があること。『超かぐや姫!』はガール・ミーツ・ガールの物語、もっと言えば「百合」の関係性の尊さも愛される理由になってるからこそ、本作での「女の子が好きな長女を当たり前に受け入れている」家族の絆も見てみてほしいのです。



