ヒナタカの雑食系映画論 第63回

新海誠監督が2023年に絶賛した「10作品」とは? アニメのほか、実写映画から漫画まで一覧にしてみた

新海誠監督が2023年にX(旧Twitter)で絶賛した10の作品を一挙に紹介しましょう。『すずめの戸締まり』の「タイトルの出方」に関わる作品や、『ゴジラ-1.0』について語ったこともありますよ。※サムネイル画像出典:『すずめの戸締まり』ポスターより

3:映画『遠いところ』


『すずめの戸締まり』の劇中、愛媛県で出会う快活な少女・海部千果(あまべちか)の声を担当した、俳優の花瀬琴音が主演を務めた作品です。
筆者は未見ではありますが、沖縄県のキャバクラで働きつつ幼い息子を育てる17歳の少女が、夫からの暴力や、社会の過酷な現実に直面するドラマであり、簡潔な性愛描写および20歳未満の飲酒喫煙・違法薬物摂取がみられるという理由でPG12の指定がされています。あえてハードな内容を描くことで、貧困や家庭内暴力などの問題に向き合った作品になっているようです。

新海誠監督は、「眩しくて美しくて切なくて、観ていて息が苦しくなるほど」と、作品のインパクトはもちろん、花瀬琴音の熱演を称賛しています。現時点では配信されていませんが、2024年も新文芸坐や川越スカラ座などミニシアターで上映が続くようです。

4:映画『マイ・エレメント』

『トイ・ストーリー』『ファインディング・ニモ』などのピクサー最新作。アメリカや日本で公開当初は動員が伸び悩んだものの、口コミ効果で右肩上がりの興行になったことも話題になりました。
新海誠監督が絶賛するのは「あらゆる手法でこちらの感情を動かそうとしてくれている」「最高峰のビジュアルを届けようとしてくれている」作り手の志(こころざし)。それは美しい風景で見る者を圧倒し、(『君の名は。』以降は特に)観客を楽しませるために工夫と計算をし尽くしている新海誠監督の作家としての姿勢に通ずるものでしょう。

筆者個人としては「一見相性が悪いように見えて実は相性抜群なカップル」のラブストーリーとして万人受けする内容であることと、ディズニー映画『ズートピア』でも示された「多様性」のメッセージを発展させ、押し付けがましくなく示していることも推したいポイントです。
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新海誠はあの“アニメ映画”も絶賛していた
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