ロシア拠点のサイバー犯罪集団も参戦
こうした組織以外にも、普段はロシア圏を拠点に活動しているとされるサイバー犯罪集団も参戦している。ロシアによるウクライナ侵攻で日本政府がウクライナ支持を表明したことに反発して日本にもサイバー攻撃を仕掛けたこともある「KillNet」や、普段は日本企業などに身代金を要求するサイバー犯罪行為を行う「RansomedVC」なども、イスラエルに対してDDoS攻撃やWebサイト改ざんに乗り出した。
そのほか、国民の85%がイスラム教徒であるバングラデシュのハクティビスト集団と見られる「Mysterious Team Bangladesh」は、イスラエルやイスラエル支持を表明している欧州諸国に対する攻撃を実施している。
イスラエルを支持する組織も不正アクセスを実行
逆に反イスラエル組織と比べると圧倒的に数で劣るイスラエルを支持する組織には、例えば、親イスラエルのグループ「RedEvils」がある。非常にハッキング能力の高いRedREvilsは、190万人以上の登録者がいるガザの人気Telegramチャンネル「Gaza Now」に不正アクセスし、チャンネル内にあった11月はじめまでの全てメッセージを削除した。また親イスラエルであるインドのハクティビストグループ「Team UCC」が、国際連合世界食糧計画(WFP)のパレスチナ人を支援するための寄付サイトへサイバー攻撃を仕掛けたと主張している。このグループはイスラエルを支持する一環として、国民の88%がイスラム教徒であるインドネシアのWebサイトへサイバー攻撃をしている。
このように、サイバー空間上では、イスラエルとハマス側に分かれてサイバー攻撃合戦が繰り広げられている。そして、そうした攻撃は日本にも飛び火している。