不正が発覚する企業に共通すること
なぜこんなことが言えるのかというと、この10年あまりで不正が発覚した企業というのは往々にして、このパターンだからだ。拡大路線に突き進むが結果が出ないので、管理職を恫喝(どうかつ)したり、現場は精神論を押し付けてどうにかして結果を出させようとする。
しかし、人口が減って市場がシュリンクしているので、何をどうしても結果が出ない。そこでやるのは「数字合わせ」だ。ある大企業は管理職が利益のかさ上げをしてしまう。ある企業はコスト削減のために、賃貸住宅の不正建築に手を染めてしまう。
そういう形で、破綻した「拡大路線」のツケを支払う形で、現場が不正するというパターンは枚挙にいとまがない。ビッグモーターの場合はそれが保険金不正請求だったというだけの話だ。
近年、「賃上げ」や「生産性向上」が多く叫ばれていることからも分かるように、消費者と労働者が減っていく日本で、企業が生き残るためには、1つ1つの「価値」を向上していくしかない。つまり、全国に店舗網を広げるなんていう「拡大路線」は絶対に超えてはいけない一線なのだ。ビッグモーターの失敗から、日本企業が学ぶことは多い。
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この記事の筆者:窪田 順生
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経てノンフィクションライター。また、報道対策アドバイザーとしても、これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行っている。