世界を知れば日本が見える 第17回

アメリカIT企業で相次ぐ「レイオフ」と「解雇」は何が違う? 日本で起きる可能性は

ツイッターやグーグルなど、アメリカのIT企業を中心に「レイオフ」が相次いでいるが、解雇との違いは何だろうか。海外の通信社で勤務経験がある筆者が現場での捉え方も含めて解説する。

CEOの変更&解雇が話題となったツイッター

2022年10月、起業家のイーロン・マスク氏がツイッター(Twitter)社の買収を完了したことが大きなニュースになった。しかもそれに伴い、マスク氏は上層部の大部分を容赦なく解雇し、さらに約7500人いた社員のうち4800人ほどを解雇した。
 

アメリカではこうした突然の「クビ」は珍しくない。事実、同社のニュースの後にも、インフレや金融引き締めなどによる景気停滞の煽りを受け、かなりのアメリカIT企業が次々と社員の解雇を断行している。
 

GoogleやAmazon、Microsoftも

例を挙げると、2023年1月だけを見ても、グーグル(Google)の親会社アルファベット(Alphabet)が1万2000人、マイクロソフト(Microsoft)が1万人、セールスフォース(Salesforce)が7000人、アマゾン(Amazon)が1万8000人、ペイパル(PayPal)が2000人、スポティファイ(Spotify)が600人、スマートニュース(SmartNews)が120人を解雇すると明らかになっている。
 

2月には、ヤフー(Yahoo!)で1600人、デル(Dell)で6650人、ビデオ会議サービスのズーム(Zoom)でも1300人が解雇されると報じられた。元フェイスブック(Facebook)のメタ(Meta)も2022年に1万1000人を解雇、3月14日にはさらに約1万人の社員を追加削減すると発表し話題になったが、中小IT企業でもあちこちでかなりの人材が解雇されている。
 

突然の解雇が起きるアメリカでは、日本に比べて従業員を解雇しやすい土壌がある。ただ日本のように「希望退職者募集」をして、退職金などを提示して応募を待つような生易しい措置はなく、いきなり「明日から会社に来なくていい」という事態になる。
 

ちなみに新型コロナウイルス禍では、経済活動が大幅に制限されたことでアメリカ国民の15%が失業者になったといわれている。コロナ禍でも企業は従業員を容赦なく切ったのである。
 

ここまであっさりと正規職員を解雇できてしまう国は、終身雇用という文化がないアメリカ以外ではあまり聞かない。


>次ページ:アメリカの解雇には2種類ある
 

 

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