最近、アメリカを中心に中国系の動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」が物議を醸している。
TikTokは、今や世界でも有数の人気のアプリだ。中国のIT大手バイトダンス(抖音)が運営する人気のソーシャルネットワークアプリで、2021年の公式発表時点で既にユーザー数が世界で10億人を超えているという。
日本でも2017年に上陸後、有名芸能人なども使うようになり、どんどんユーザー数を増やしてきた。国内では2023年1月現在、MAU(月間アクティブユーザー)が2100万人ほどいると見られ、若い世代を中心に人気の高いアプリとなっている。最近では、中年層にも利用が広がっている。
ところが、そんなTikTokは、中国資本のアプリということで安全性がずっと取り沙汰されてきた。TikTokから、ユーザーのプライベートなデータが中国政府の手に渡るとの懸念が上がっているからだ。
直近では、2023年1月18日にアメリカの名門校であるテキサス大学オースティン校が、キャンパス内のWi-FiなどでTikTokにアクセスすることを禁じると発表。学長が「大学のネットワークやインフラにある情報に対するリスクを排除するためだ」と声明を発表している。
これを受けて、テキサス州にある他の大学も、相次いでTikTok禁止を発表する事態になった。テキサス州が保守的な州であるという事実はあるが、実のところ、このケースはほんの一例に過ぎず、アメリカでは連邦政府をはじめ、TikTokを禁止する動きが全国的に広がっている。