ヒナタカの雑食系映画論 第12回

「予告詐欺」な映画とは? コナンやしんちゃん…良い意味で本編とギャップがある“歴史的な予告編”を考察

予告編と、映画本編の内容が乖離(かいり)している「予告詐欺」。その中にはネガティブな意味だけでない、良い意味でのギャップがポジティブな印象につながるものもあります。その例を紹介しましょう。※画像出典:(C)2015 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

映画ライターが選ぶ、良い意味での予告詐欺な映画はこれだ!

そんなわけで、賛否両論を呼ぶケースはあれど、良い意味での予告詐欺のケースの方を多く紹介してきたわけですが……ひと口に「予告詐欺」と言っても、多様なパターンがあることがお分かりいただけたでしょうか。

最初に挙げた『ベイマックス』は、ファミリー層へのアプローチとしても理解できますし、それぞれで「こう売り出して行きたい」という送り手の気持ちが垣間見えることにも面白さがあります。

何より、映画は「予想しなかった驚き」に面白さがあるもの。予告編の印象だけでなく、+αのサプライズが本編にあるとうれしい気持ちになる、それもまた映画の醍醐味(だいごみ)なのではないでしょうか。そのことを踏まえ、筆者の個人的No.1の、良い意味での予告詐欺はこちらでした。
 

■『屍人荘の殺人』


予告ではポップな探偵ものと思いきや、まさかの……(本編のネタバレになるので自粛)! そのサプライズも含めて賛否両論の作品になっています。それでいて「前代未聞の密室殺人なんだよ」というセリフ、「事件は、想像を絶する事態へ」という触れ込みには、全くうそ偽りはありません。予告でかかるPerfumeの主題歌『再生』も、本編のあの展開の伏線だったのかも……?

原作小説はベストセラーなので、事前に内容を知っている人もいるでしょうが、何も知らない人は事前情報なしで観ることをおすすめします。本編を観た後だと、この予告がいかにうまく「隠している」のかが分かり、感動すらしました。

その他、この記事に入りきらない「予告詐欺」の例は筆者のこちらのツイートのリプにたくさんいただきました。ぜひ、まだ観ぬ面白い予告詐欺を、さらに楽しんでみてください。


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