ヒナタカの雑食系映画論 第12回

「予告詐欺」な映画とは? コナンやしんちゃん…良い意味で本編とギャップがある“歴史的な予告編”を考察

予告編と、映画本編の内容が乖離(かいり)している「予告詐欺」。その中にはネガティブな意味だけでない、良い意味でのギャップがポジティブな印象につながるものもあります。その例を紹介しましょう。※画像出典:(C)2015 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

情報が少なすぎるけど、それが本編のサプライズになっていて良かった系

続いて、事前の情報と映像を隠していて、予告の公開時には不評もあったものの、結果的には「本編でのサプライズを隠してくれてありがとう!」と称賛の声が届いた予告を紹介しましょう。
 

■『シン・ゴジラ』


ネタバレ防止のため詳しい内容は割愛しますが、何よりのサプライズは“蒲田くん”という愛称で呼ばれる存在。予告で観ていた、いつものゴジラの姿を知っているファンの度肝を抜きました。別作品では、2014年版『GODZILLA ゴジラ』の予告も、「敵性怪獣」を見せないことがサプライズになっていると称賛されました。
 

■『THE FIRST SLAM DUNK』


2022年公開後から大ヒットを更新し続けているこちらは、原作が絶大な人気作品であることから、「どのエピソードを描くんだ?」というファンからの憶測を呼ぶことになりました。映画公開から3週後に情報解禁されましたが、早めに映画館に駆けつけたファンは、そのサプライズも含めて熱狂したことでしょう。
 

■『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(特報)

こちらは、公開時に不評を買ってしまったケース。新しい情報を期待していたファンが多かったのですが、特報の内容は「ずっとピアノを弾いているだけ」の映像だったのです。もっとも、本編でもピアノは弾いていますし、ピアノをさまざまな角度から見せるCGには称賛の声が相次いでいました。さらに、本編が「あらすじすらネタバレ」な内容だったので、「映画を観てから特報を観ると感動する」というファンも多くいたようです。

※公式の予告動画がないため割愛


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