世界を知れば日本が見える 第10回

トランプ前大統領のTwitterアカウント復活は、バイデン政権に向けたメッセージか

永久凍結していたトランプ前大統領のTwitterアカウントが復活した。なぜこのタイミングだったのか。アメリカ社会に与える影響とは――。

アメリカ中間選挙にはどう影響する?

この動きは、11月8日のアメリカ中間選挙で思ったほど影響力を示すことができなかったトランプ前大統領にはかなりの追い風になる可能性がある。同氏は11月15日に満を辞して2024年大統領選の出馬を公表するも、それほど大きな騒動にはならなかった。
 

理由はいろいろあるが、1つには、トランプ前大統領がTwitter(とそのほかの一般的なSNS)で「声を失っていた」ことが挙げられる。トランプ前大統領はSNSを使えないために、自らTwitterを丸パクリした「Truth Social」というSNSを立ち上げ、投稿を開始していた。
 

トランプ前大統領が立ち上げたSNS「Truth Social」(画像はイメージ)


しかし、その利用者はトランプ支持者ばかりで、広く一般大衆に意見表明はできていないのが実態だった。マスク氏は、「Truth Social」のことを「Trumpet」(トランプと支持者のためのおもちゃ、というニュアンス)とバカにしていたくらいだ。
 

つまり、Twitter追放後、無党派票や浮遊票にアピールするために、大衆やメディアなどに自分のメッセージを伝えられていないのが実態なのだ。
 

ところが、トランプ前大統領がTwitterに復活することになれば、また再び声を取り戻すことになる。そうなれば、2024年大統領選に向けた活動に重要な要素となるだろう。


>次ページ:トランプ氏のアカウント復活は、バイデン政権に向けたメッセージか


 

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