世界を知れば日本が見える 第9回

サイバー攻撃を受けた大阪の病院、患者の個人情報はどうなる? 交渉の余地は

大阪の総合病院が、サイバー攻撃を受けた。攻撃者から身代金を要求するメッセージも届いているが、このまま払わなかった場合はどうなるのか。患者の個人情報は……。

また病院がサイバー攻撃に見舞われた。
 

10月31日、大阪市住吉区の大阪急性期・総合医療センターが、ロシアからと見られるランサムウェア攻撃を受けたことが大きく報じられた。

通常診療ができない状況に(出典:大阪急性期・総合医療センターの公式サイト

 

誰しも被害に遭う可能性がある「ランサムウェア攻撃」とは

ランサムウェア攻撃は、ランサムウェアという不正なプログラムをコンピュータに感染させて勝手に暗号化し、使えなくしてしまう。その上で、攻撃者は「コンピュータの暗号を解除して元通りにしてほしかったら身代金を払え」と脅迫する。
 

民間企業から、政府機関、医療機関までパソコンやサーバなどを使っていれば、誰しも被害に遭う可能性があるサイバー攻撃だ。
 

そんな危険なランサムウェア攻撃が、大阪府内に3カ所しかない「高度救命救急センター」の1つで、災害拠点病院でもある病床数865床の大規模な病院を襲ったのである。
 

病院へのサイバー攻撃は、人命にもかかわる恐れがあるのは言うまでもない。そこで、ランサムウェア攻撃を受けたこの病院がこれからどのような状況になっていくのか、考察してみたい。


>次ページ:攻撃者から身代金を要求するメッセージも

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 意外と知らないグルメのひみつ

    日本のにんにくは中国産が9割。「国産にんにく」と「中国産にんにく」の違いとは? 3つの産地で比較

  • ヒナタカの雑食系映画論

    都知事選を想起させる? 映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の「大真面目な面白さ」を解説

  • 植草美幸の恋愛・結婚相談ー編集部選ー

    「彼氏と結婚したい!」25歳女性、「結婚なんかしなくていい」と言う気難しい父親の悩み相談

  • ここがヘンだよ、ニッポン企業

    性加害疑惑・伊東純也選手のプーマ広告が復活 「告発女性を逆に訴える」という対応はアリだったのか?