世界を知れば日本が見える 第7回

ロシアによる「見せしめ」か、領事「拘束」で否定できない日本側の“落ち度”とは

9月26日、FSB(ロシア連邦保安庁)が日本総領事館の領事をスパイ活動の容疑で拘束したと発表した。ロシアが日本で行っている数々のスパイ活動を考えると「お前が言うな」という話ではあるが、同時に日本側にも落ち度があった可能性も否定できない。それは……。

出口が見えないロシアによるウクライナ侵攻(画像はイメージ)

ロシアがウクライナに侵攻してから、日本とロシアの関係は大きく変わった。
 

というのも、岸田政権がウクライナ侵攻を受けた西側諸国の対ロシア経済制裁に加わったことで、逆にロシアからは、ロシアにとっての「非友好国」として日本も名指しされたのだ。
 

日本が2022年4月、ウクライナ侵攻に絡んでロシア人外交官8人を国外退去処分にすると、ロシア側はその報復としてすぐ後に日本人外交官8人を国外追放処分にしている。5月になると、ロシアは日本人の「入国禁止リスト」を発表した。
 

ウクライナの侵攻も出口が見えない中で先日、日本人を巡る新たな動きがあった。9月26日、ロシアの情報機関であるFSB(ロシア連邦保安庁)が、ロシア東部のウラジオストクで日本総領事館の領事を、金銭を支払ってロシアの重要情報を得たスパイ活動の容疑で拘束したと発表したのである。
 

ただこの問題は、もちろんロシアが日本で行っている数々のスパイ活動を考えると「お前が言うな」という話になるのだが、それと同時に日本側にも落ち度があった可能性も否定できない。
 


>次ページ:日本側の問題点は

 

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