「東京チカラめし」の「逆輸入」はあるか
国内店舗の復活を望むファンからすれば残念な話ではあるが、タイで再び勢いを盛り返した後、日本に「逆輸入」もあるかもしれない。
「安くてうまい」という身を削るようなチキンレースを強いられる日本の外食は、これまで1億2000万人の人口で、「とにかく店をたくさん出す」という薄利多売スタイルで成長を続けてきた。
しかし、人口減少と「安くてうまい」を維持する低賃金重労働でこのビジネスモデルはもはや破綻寸前だ。となると、死屍累々(ししるいるい)のレッドオーシャンを捨てて、海外に軸足を移そうというのは至極真っ当な判断だ。
国内店舗を減らし、香港で準備をして東南アジアで勝負を仕掛ける「東京チカラめし」のようなビジネススタイルは、「安いニッポン」で消耗するさまざまな業界にとって1つのモデルケースになる。「東京チカラめし」の今後に注目したい。
窪田 順生 プロフィール
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経てノンフィクションライター。また、報道対策アドバイザーとしても、これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行っている。
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