早くに海外で活路を開いていた吉野家
吉野家は2022年9月時点で、アメリカ全体で102店なのに対して、中国では北京だけで276店、他地域を合わせると中国全体で624店舗だ。さらに、インドネシアでも140店、今回、「東京チカラめし」が初進出するタイも32店舗ある(参考:吉野家グループ店舗数一覧)。
ちなみに、国内の吉野家の店舗は1195店(2022年9月時点)に対して、海外店舗数は974店舗。10年前の2012年9月の国内店舗数は、1188店と「現状維持」をするのがやっとだ。それに対して10年前の海外店舗数は562店舗だったことを考えると、いかに海外に活路を見い出しているのかうかがえる。
「安いニッポン」に見切りをつけて徐々に海外へ軸足を移すのは、実は大手外食チェーンの中ではもう随分昔からとっくに始まっていたのだ。
そう考えると、「東京チカラめし」がタイに目をつけたのは悪くない。中国やインドネシアは既に吉野家がかなり展開をしているが、タイはまだそれほど多くない。親日国なので、「東京」という店名も1つのブランドとして機能するかもしれない。