ここがヘンだよ、ニッポン企業 第7回

「安いニッポン」に三行半? 国内で消滅寸前の「東京チカラめし」はなぜ海外に軸足を移すのか

牛丼チェーン「東京チカラめし」が2023年1月、タイに1号店を出店する。香港でも人気の同店だが、なぜ国内ではなく海外展開を進めるのか。その理由は……。

日本よりも儲かっている香港店舗

実際、今、「東京チカラめし」は香港で日本国内よりも多い店舗を運営している。2021年6月に香港進出をして1号店を出店したところ、行列ができるほどの人気で、9月に2号店、12月に3号店を出すなど現地で人気を博している。

ランチスタート時の「東京チカラめし」香港3号店(出典:プレスリリース)

しかも、日本よりも儲かっている。ビジネス系のオンラインメディアが公開した記事によれば、香港の客単価は900円ほどで、日本での客単価600~700円を大きく上回る。実際、1店舗当たりの売り上げは1日30万~40万円を見込んでいたが、2倍ペースで推移しているという。
 

この記事に登場する同社の幹部によれば、香港は東南アジア進出のためのテストマーケティングの意味合いが強いということなので、香港でさまざまなデータが取れたことで、満を持してタイに乗り込んだのだろう。
 

ただ、「東京チカラめし」がこのような判断になるのもしょうがない。今や国内で牛丼は「安いニッポン」を象徴するファストフードになっている。客の多くは、少し値上げしただけでも「高い! いつから牛丼は高級品になったのだ」と嵐のようなクレームを入れる。そのため、従業員も典型的な低賃金重労働だ。「安さ」の無限ループから逃れられない。


>次ページ:海外では高品質な日本の「牛丼」

 

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