世界を知れば日本が見える 第8回

イーロン・マスク氏の「香水」はなぜ売れた? スターリンクを巡る物議も計算通りか

イーロン・マスク氏が発売した香水「Burnt Hair(燃えた髪)」が約1週間で2万8700本も売れたという。Twitter買収劇やスターリンクを巡る物議を見ると、香水の発売はタイミングが良すぎるとの指摘もあるが……。

ウクライナへスターリンクを無償提供

最近のマスク氏発の話題はまだある。今、世界的に関心が高いロシアのウクライナ侵攻と、ウクライナにマスク氏がサービスを提供しているスペースXの衛星インターネット通信サービス「スターリンク」にまつわる話である。
 

まず10月に入って、マスク氏はロシアのウクライナ侵攻に関して和平案をツイート。ロシアが併合を宣言した4州で住民投票を行い、2014年にロシアが強引に併合したクリミア半島をロシア領にし、クリミア半島には水の供給を約束。ウクライナは中立の立場を維持するべきだと提案した。


これにはウクライナからも、ウクライナ支持者たちからも批判が噴出。逆にロシア側からは評価する声が聞かれるなど、国際問題化した。ウクライナのゼレンスキー大統領は自身のTwitterで「どちらのイーロン・マスクがより好きか?」と投稿し、「ウクライナを支援するマスク」「ロシアを支援するマスク」と、投票を行っている。欧米の利用者が圧倒的に多いTwitterだけに、「ウクライナを支援するマスク」の数が圧倒的に多いのは言うまでもない。
 


この話が盛り上がると、さらにスターリンクにまで話題は及んだ。というのも、16日に「赤字なのに(中略)われわれは無料でウクライナ政府に資金を提供し続けることに」とツイートしたからだ。


スターリンクは、ロシアによる攻撃などもあってウクライナ国内のインターネットなどが不安定になったことから、ウクライナのデジタル化担当大臣で副首相でもあるミハイル・フェドロフ氏からTwitterで直々に要請され、マスク氏はサービスを無償提供してきた。


>次ページ:スターリンクの費用を巡り物議も

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『紅の豚』はなぜ主人公が「豚」なのか。宮崎駿自身が「こうかもしれない」と解釈するラストの意味

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    カーブの謎、駅ナンバリング逆転…「新京成」改め「京成松戸線」に隠された10の意外な見どころ

  • どうする学校?どうなの保護者?

    みんな他人ごと? 「PTA総会」考えなしで提出した「委任状」が生んだ思わぬ悲劇とは

  • 世界を知れば日本が見える

    「日本の万博は使い捨て」インバウンドが大阪万博に抱く不満とは。“ディズニー級”の質を求めるのは酷?