ドキッとする中島健人の「よければ僕と一緒にしてみませんか」
1話のあらすじから紹介しましょう。主人公の霜鳥壱人(中島健人)は精神科医兼セックスセラピストなのですが、その職業の認知が広がっていないこともあってか、この後の予約は初診の1人のみ。やってきたのは「寝ても覚めてもエロいことばかりを考えてしまい、駅や会社のトイレでも”ソロプレイ”をしてしまう」男性でした。
そこで霜鳥先生は「よければ僕と一緒にしてみませんか。大丈夫、みんな最初は初めてですから」と言ってのけるのです。
何しろケンティー(中島健人)という超イケメン王子様がそう言うので、誰もが「ま…まさか…」とドキッとしてしまうのではないでしょうか。もちろん、これは良い意味での“外し”(ケンティーファンへのサービス?)であり、すぐに「なんだ〜そういうことだったのか〜」とほっとできるシーンにつながるのでご安心を(?)。
早めに安心しやすい“至って真面目”な問診
しかしながら、その時に霜鳥先生が告げる「セラピーも“これ”と一緒なんです」という“例え方”がものすごくわかりやすく、ケンティーの爽やかな笑顔もあって「この人なら任せられる」という絶大な信頼感があります。
その後も霜鳥先生は、客観的には卑猥に、なんならクライアントからふざけているように聞こえてしまう問診であっても「至って真面目です」と答えたりします。
そうしたところから、「話しにくい性の話題について、初めはドキドキしたり、気まずかったりもするけど、実際はとてもフランクであるし、しかも本質は至って真面目」という霜鳥先生の問診の姿勢、ひいてはこの『SとX』という作品のスタンスが伝わるのです。
さらに、三浦獠太演じる、看護師の犀川優太というキャラクターも重要です。何しろ、彼は霜鳥先生の無茶な要求に戸惑ったり、時には「あれで診察料とっていいんですか?」「全然理解できない!」とはっきりと言ってのけたりもする、極めて視聴者に近い立場になっているのです。

彼のエピソードや性格は原作からかなり“肉付け”されており、草野翔吾監督が「当初のプロットの犀川の設定があまり現実的ではないことが分かり、僕の方でイチから犀川の人生を書き直して提案させてもらったりもしていました」と語る通りの判断も、間違いなくプラスに働いていました。
そうしたところから、本作の題材やタイトルから、少しでも忌避感や抵抗感を持っていた人でも、早めに安心しやすい作りになっていると言えるでしょう。



