おまけ:タイトルの意味のヒントは?
また、『か「」く「」し「」ご「」と「』のタイトル表記は、一見奇妙にも思えますが、原作小説にはその意味がはっきりと書かれています。
原作を読んでほしいので、ここではあえて答えを書かないでおきますが、ヒントとしては「かくしごと」という5文字が、主要キャラクターの5人とリンクしていること。しかも「隠し事」という漢字ではなく、ひらがなで書かれていることは挙げられます。
そして、タイトルのカギかっこの最後が「閉じられていない」ことの意味は、映画を見終わればきっと分かると思います。もちろん、後から原作を読んでみて、「そういう意味もあったのか!」と気付くというのも一興でしょう。
おまけ:『きみの色』に似ている理由
また、本作にとても近い作品は、2024年公開のアニメ映画の『きみの色』です。こちらの主人公は「人の“色”が見える」という能力を持ってはいるものの、それは何かの事態を解決したりはせず、あくまで「人を魅力的に思う」様を示す、やはり「現実で誰もが感じられるもの」として表現されていました。【関連記事】『きみの色』がもっと尊くなる5つのポイント。あえてストレスを避けた「選択を肯定する物語」である理由
『きみの色』の「若者はコミュニケーションにとても気を遣っている」「だけど好きという気持ちはあふれさせたっていい」というメッセージ性は、今回の『か「」く「」し「」ご「」と「』にも通じていると思うのです。ぜひ、こちらも併せて見てみてください。
この記事の筆者:ヒナタカ プロフィール
All About 映画ガイド。雑食系映画ライターとして「ねとらぼ」「マグミクス」「NiEW(ニュー)」など複数のメディアで執筆中。作品の解説や考察、特定のジャンルのまとめ記事を担当。2022年「All About Red Ball Award」のNEWS部門を受賞。



