ヒナタカの雑食系映画論 第164回

2025年大注目の「日本のアニメ映画12選」を全力紹介してみた!『たべっ子どうぶつ』をまずは見てほしい

2025年大注目の日本のアニメ映画を、一挙12作品紹介しましょう!まずは「お菓子の映画化」作品として素晴らしいクオリティーの『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』を見てほしいのです。 ※画像出典:(C)ギンビス (C)劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

9:『ひゃくえむ。』9月19日公開


テレビアニメ版も絶賛された漫画『チ。―地球の運動について―』の魚豊による、連載デビュー作の劇場アニメ化作品です。描かれるのは陸上競技で、100m走で10秒に満たない一瞬の輝きに魅せられた者たちの「狂気と情熱」を描く内容になっているそうです。

監督は長編1作目『音楽』で国内外の多数の映画賞で高い評価を受けた岩井澤健治。アヌシー国際アニメーション映画祭の「Work in Progress」に選出されており、本編にはスタッフはもちろん、ボイスキャストの松坂桃李と染谷将太の情熱もたっぷり込められていることでしょう。

10:『ホウセンカ』秋公開


口コミで人気を博したテレビアニメ『オッドタクシー』の木下麦監督と此元和津也の原作・脚本のタッグの最新作にして、『映画大好きポンポさん』の制作会社「CLAP」による初のオリジナル作品です。

物語は、人の言葉を操るホウセンカが、独房で孤独な死を迎えようとしていた無期懲役囚の老人に声をかけ、その会話の中で、老人は自身の過去を振り返り始める……というもの。驚きの展開が待ち受ける優れた群像劇だった『オッドタクシー』のエッセンスは、今回も盛り込まれていそうです。

11:『ペリリュー -楽園のゲルニカ-』12月5日公開


同名漫画の映画化作品で、1万人の日本兵が送り込まれ、生き残ったのはたった34人といわれる、1944年の「ペリリューの戦い」を追う作品。監督はテレビアニメ『魔都精兵のスレイブ』などの久慈悟郎です。

原作者の武田一義は監修と共同脚本にも関わっており、公式Webサイトでは脚本の完成までに本当に長い長い時間をかけたことや、脚本は「原作ファンの皆様にも自信を持ってお届けできる」内容になったことが語られています。『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』などの戦争を描いたアニメ映画の名作に名を連ねるのかもしれません。

12:『花緑青が明ける日に』2025年公開


『君の名は。』の回想シーンや『この世界の片隅に』の水彩画を手掛けた画家・四宮義俊が8年がかりで原作・脚本・監督を務めあげたオリジナル作品です。花緑青(はなろくしょう)とは、かつては花火の材料に使われていた、燃やすと青くなる緑色の顔料で、毒性を含むため、現在ではほとんど使用されなくなったのだとか。

描かれるのは、立ち退きが迫る花火工場を舞台にした「幻の花火」を巡る2日間の物語。2人の若者が再会して驚きの計画を立てるという、「自分たちの選択をつかみとっていく」若者たちの姿を映した新たな青春映画になっているようです。若手実力派俳優の萩原利久と古川琴音の声の演技にも期待できます。
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