JR中央・総武線「三鷹駅」には何がある? 実は太宰治ファンの聖地、常に文化が“新陳代謝”し続ける街

JR中央線で新宿駅~立川駅のちょうど中間にあたり、中央特快も停車する三鷹駅。隣にある超有名タウン・吉祥寺駅の影に隠れがちですが、その街中には何があるのか。この記事で詳しく紹介します!

三鷹駅には何がある?
三鷹駅には何がある?
三鷹駅の一つお隣は、「住みたい街」ランキングの首都圏トップ常連の吉祥寺駅。それに比べて三鷹駅はどうにも地味で……といったイメージを持たれる人も少なくないかもしれません。

実際に三鷹駅を降りて散策してみると、長大な商店街に加えて、明治~昭和の文豪ゆかりのスポット、銭湯・サウナなど意外な見どころが盛りだくさんの街でした!

三鷹駅の基本情報:家賃相場はいくら?

三鷹駅の写真
三鷹駅(画像は筆者撮影、以下同じ)
JR三鷹駅は中央特快が停車するため、東の中野・新宿方向にも、西の国分寺・立川方向にも短時間で移動可能。しかもJR総武線および東京メトロ東西線の西側の始発駅でもあるため、時間をかければ千葉県の市川駅や西船橋駅にも電車一本でアクセス可能であるなど、東西の両方向に交通の便がいい駅です。

三鷹駅の家賃相場は駅徒歩10分以内、築年数10年以内でワンルームが約8.4万円、1LDKで約13.9万円、2LDKは約16.7万円(SUUMO、2024年10月22日確認)。中央線の新宿駅より2万円弱安く、立川駅よりは1.5万円ほど高めです。

三鷹駅の半分は、三鷹市でなく武蔵野市

三鷹駅の写真
南口中央通りにある太宰治のモニュメント
三鷹駅の所在地は当然「三鷹市」……と思いきや、実は三鷹駅の北側半分は三鷹駅ではなく武蔵野市。ちょうど三鷹駅の真下を玉川上水が斜めに通っており、上水のラインがそのまま三鷹市/武蔵野市の境界線にもなっているため、駅が二つの市をまたいだ状態となっています。

現在の三鷹駅周辺に当たる地域は、1923年の関東大震災で被災者が移住してきたことにより人口が増加し、戦後も都心のベッドタウンとして発展していきました。また、駅南側(三鷹市側)は太宰治・山本有三・武者小路実篤といった作家・文化人が居を構えた「文士の街」としても知られています。

駅ナカ・南口デッキ上だけでも買い物スポットが充実

三鷹駅周辺を散策する前に、まずは駅ナカのショッピングモール「アトレヴィ三鷹」からご紹介。
三鷹駅の写真
アトレヴィ三鷹4階のプロントは、採光や設備がよくて軽作業などにも便利
アトレヴィ三鷹」は改札内の3階(改札階)と4階、改札外の1〜5階に広がっており、なかなかに大掛かり。ここだけでも買い物が完結できそうな充実ぶりですが、三鷹駅でのショッピングはここからが本番です。
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広々としたデッキ
三鷹駅南口を出た先はペデストリアンデッキになっており、開放感があります。通路が駅周辺のさまざまな建物に接続しており、地上に降りる階段やエスカレーターも複数あるので、移動がとてもスムーズです。
三鷹駅の写真
駅を出て1分未満でアクセスできて便利
駅南口から見て正面にあるのが「CORAL MITAKA(以下、三鷹コラル)」。地下1階〜地上5階まである複合商業施設で、それぞれのフロアに「三鷹市場(地下1階のスーパーマーケット)」「おしゃれ通り(2階のファッション店舗)」など、コンセプトに応じた名前が付けられています。
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三鷹の顔とも呼べる太宰治
また、5階は「三鷹市美術ギャラリー」になっており、芸術やサブカルチャーに関する展示が定期的に催されています。そのギャラリーと併設されているのが、「人間失格」「走れメロス」などで知られる小説家・太宰治の経歴を紹介する「太宰治展示室」。太宰が戦前の1939年から、玉川上水に入水して没する1948年まで暮らしていた自宅を再現した展示空間です。
三鷹駅の写真
たまにレアな野菜も取り扱っています
「三鷹コラル」以外にも、駅南口のデッキにつながる店舗は複数あります。「オオゼキ三鷹店」は生鮮食品のボリュームやリーズナブルさで有名なスーパーマーケットで、おすすめの青果商品が屋外にまで並んでいます。
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屋内には一般利用も可能なトイレもあるので非常時に助かる存在
「Trikona(トリコナ)」には「サンマルクカフェ」や「キャンドゥ」、郵便局などが入居しており、駅前でのちょっとした買い物や休憩に便利。
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駅チカにスーパーマーケットが複数あるのはうらやましいですね……
デッキ直結の店舗に加え、デッキ階段を降りたすぐ近くにもスーパーマーケット「三平ストア三鷹店」(100円ショップ「ワッツ」併設)が。「オオゼキ三鷹店」の真下にもドラッグストア「サンドラッグ」があります。

至る所に良店があり、あちこち散策したくなる中央通り

三鷹駅の写真
三鷹駅南口を象徴する風景
「三鷹コラル」の真横にあるエスカレーターを降りた先、南北約1.1kmにわたって伸びるのが「中央通り」。ここの商店街は平日昼間でも人の往来はそれなりに多く、休日にはさらに多くの買い物客や散策する観光客でごった返します。また、中央通りと並走もしくは交差する「さくら通り」「しろがね通り」「旭町通り」などにも商店や飲食店が複数あります。
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昭和チックな風合いのある三鷹センター
こちらの「三鷹センター」ビルは、中央通りとさくら通りが交差する所にあり、なかなかの存在感。ビル内には「東急ストア」「ダイソー」などの店舗が複数入居しています。
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天文台は駅から若干離れているので、行くときはバスを使いましょう
三鷹センターの隣にある「三鷹中央ビル」にある「天文・科学情報スペース」では、太陽系・宇宙の観測などに関する展示を行っています。駅からは離れていますが三鷹市には国立天文台があるなど、実は宇宙観測に縁が深い街なのです。
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三鷹プラーザ
中央通りをかなり先まで進んだ所にある「三鷹プラーザ」は住居部分のバルコニーがギザギザの波状になっているのが特徴。低層部の1階と2階が店舗スペースになっています。
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緑が穏やかな2階通路
入居テナントは花屋さんや高級文具店、美容室、インテリアショップなどが並び、中央通りの店舗でもひと際おしゃれ度が高め。2階部分に並ぶ鉢植えの植栽も穏やかな雰囲気です。
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窓ガラスに描かれたクマちゃんがゆるい雰囲気
中央通り近辺には、ほかにも魅力的なお店がさまざま! 例えば、焙煎コーヒー店「フジヤコーヒー supports by 横森珈琲」はガラス窓に描かれたシロクマさんがファンシーで、平日昼から多くのお客さんが訪れています。
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元気のある商店街は個人経営の肉屋さんや青果店なども元気
三鷹に根付いて50年以上という人気店「肉のアンデス」。2023年1月より耐震補強のため休業していましたが、2024年7月に再オープンしました。
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どんな店があるか探し歩くのも楽しみ
これ以外にも、三鷹駅南口の商店街には長年愛されているお店や、個性的でニッチなニーズを満たすお店、居心地よく通いたくなるお店が数多く営業中です!

街並みのさまざまな所に見える思いやりと温かさ

三鷹駅のもう一つの特徴は住環境の良さ! 日経BP総合研究所が2023年に作成した「シティブランド・ランキング」において、三鷹市は「生活インフラ」「医療・介護」「子育て」などの高評価により全国区市町村中33位にランクしています。
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「みたかスペースあい」の隣にもギャラリー・ショップが開店中
天文・科学情報スペースのある三鷹中央ビル内には、高齢者や障害者支援のためのイベント・教室・物販を行っている「みたかスペースあい」なども入居。2014年に商店街活性化・まちづくりのためオープンしたスペースで、障害者やファミリー層の支援のほか、市民・個人・団体のための活動拠点としても用いられています。
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坂のない長大な商店街が続いている=その間をずっと車椅子で行き来できるというメリットもあります
ビルの壁面には車椅子向けの商店街マップや、車椅子を借りられるステーションの掲示もされていました。病気や障害、または加齢によって足腰が不自由な人にとってはうれしい配慮です。
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中央通り沿いにはこうした事務所もチラホラ
障害を持つ人が一般企業などへ就職するための就労移行支援を行っている、東京都指定の事業所も中央通り沿いに発見。
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おしゃれな木製ベンチも
通り沿いの一部街路樹脇には木製ベンチも設置されており、中央通りでの買い物中、ひと休み
することもできます。
 
三鷹駅の南側は買い物の利便性が大変高いだけでなく、こうした多様性への配慮・社会的サポートが行き届いていて非常に住環境がよく、ファミリー層も増加中! 平日には幼稚園・保育園の子どもたちが大人の引率で和やかに散歩しているのも見かけ、さまざまな人に向けて開かれた街となっています。
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実は、太宰治ゆかりの地
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