ヒナタカの雑食系映画論 第77回

傑作『デデデデ』をまずは見てほしい! 2024年の日本のアニメ映画の傑作&期待作10選を全力紹介

2024年のアニメ映画の傑作&期待作10選を一挙に紹介しましょう。まず、3月22日公開の『デデデデ 前章』を、最優先に見てほしいのです。(画像出展:(C) 浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee)

さて、ここからは筆者が本編未見の作品ではありますが、テンポを上げて次々に紹介していきましょう。

4:『トラペジウム』5月10日公開

乃木坂46一期生・高山一実の長編小説デビュー作が原作。「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」を自分に課して、絶対にアイドルになると決意をした高校1年生の少女が、別々の学校に通う仲間と夢を追いかける様を描くとのこと。

『推しの子』が大ブームの今だからこそのアイドルへの向き合い方、映画『ちはやふる』や『アリスとテレスのまぼろし工場』などの横山克の楽曲も大いに期待できます。

5:『ルックバック』6月28日公開

劇場用アニメ『チェンソーマン レゼ篇』(公開日未定)も発表されている、藤本タツキによる漫画作品が原作で、田舎町に住む性格が正反対の2人の少女の漫画へのひたむきな思いと、月日は流れてからの出来事が描かれます。

監督・脚本・キャラクターデザインを引き受けるのは『借りぐらしのアリエッティ』『風立ちぬ』などに主要スタッフとして携わった押山清高であり、アニメとしてのクオリティはほぼ保証済みでしょう。主要ボイスキャストが河合優実と吉田美月喜になることも発表されました。

6:『化け猫あんずちゃん』7月公開

いましろたかしの同名漫画が原作で、30年以上生きて人の言葉も話すようになった化け猫を主人公にした物語です。特徴的なのは「実写で撮影した映像から動きや表情を抽出してアニメにする」という「ロトスコープ」の手法を採用していること。

『カラオケ行こ!』の山下敦弘監督が実写として撮影し、その映像をもとに『花とアリス殺人事件』に参加した久野遥子監督が中心となりアニメを制作するという、ダブル監督体制もユニーク。化け猫の声と動きを担当した、化け猫役の森山未來の表現力にも注目です。
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石川県が舞台の作品も
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