ヒナタカの雑食系映画論 第77回

傑作『デデデデ』をまずは見てほしい! 2024年の日本のアニメ映画の傑作&期待作10選を全力紹介

2024年のアニメ映画の傑作&期待作10選を一挙に紹介しましょう。まず、3月22日公開の『デデデデ 前章』を、最優先に見てほしいのです。(画像出展:(C) 浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee)

7:『数分間のエールを』初夏公開

ミュージックビデオの制作に没頭する男子高校生と、ミュージシャンの道を断念した女性英語教師の姿を描く、原作のないオリジナル作品です。ヨルシカのMVなども制作してきた映像制作チームHurray!の3人が、映像統括として監督・演出・キャラクターデザインなど映像のほぼ全てを担当しています。

石川県が舞台であり、発表時には能登半島地震で被害にあった人たちへのメッセージも寄せられました。テレビアニメ『宇宙よりも遠い場所』(AT-X、TOKYO MXほか)などが絶賛された花田十輝による脚本だからこその、青春物語の輝きやみずみずしさにも期待できます。

8:『きみの色』夏公開

人の感情の「色」が見えてしまう女子高校生が、美しい色を放つ少女と、音楽好きの少年とバンドを組むことになるというあらすじで、思春期の少年少女たちの自立や葛藤、はたまた恋模様を描く青春物語になるとのことです。

『映画 聲の形』やテレビアニメ『平家物語』(フジテレビ系ほか)などの山田尚子監督×吉田玲子の脚本×牛尾憲輔の音楽という布陣はもう「間違いない」ですし、青春音楽映画×原作のないオリジナル作品の新たな傑作となることも期待できます。

9:『ふれる。』秋公開

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』に続く、長井龍雪監督×岡田麿里の脚本×田中将賀のキャラクターデザインによる、こちらも原作のないオリジナル作品です。

これまでは岡田麿里の故郷である埼玉県秩父での物語が展開していましたが、今回の舞台は東京。言葉でうまくコミュニケーションできない少年が不思議な力を持つ生き物と出会い、それによりつながった3人の物語であることが明かされています。
次ページ
人気コンテンツのアニメ映画も続々
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    深刻な男女賃金格差から「港区活動」を“就職先”にする危険性。港区女子になれなかった女子大生の末路

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応