志田彩良、影山優佳、佐藤大樹など……「ドラマ掛け持ちNG」の暗黙のルールはなぜ破られた?

近年、同じ放送時期のドラマ作品に掛け持ちして出演している俳優が増えています。なぜ出演して良いのか、そもそも撮影はどうやっているのかなどを解説していきます。(サムネイル画像出典:『消せない「私」―復讐の連鎖―』公式Webサイトより)

今後も掛け持ちが増えていきそうな予感

前述した3人以外にも、眞島秀和さんは話題の2作品に出演中。『#居酒屋新幹線 シーズン2』(MBS/TBS系)では主演、『おっさんずラブ -リターンズ-』(テレビ朝日系)ではおなじみの武川政宗役を演じています。眞島さんは演技派として知られ、ドラマや映画でも出演作が多く、今後も掛け持ちが増えていきそうな俳優です。
 
さらに、最近ではさまざまな作品に出演している小野花梨さんも、『グレイトギフト』(テレビ朝日系)、『お別れホスピタル』(NHK総合)で掛け持ちする予定です。
 

“掛け持ち”は誰にでもできるわけではない

さて、人気俳優たちがドラマの掛け持ちをする中で、実際はスケジュールがかぶることはないのかという疑問が出てくると思います。原則、ドラマの撮影はよほどの大作でない限り、クランクインの時期は公表されません。その上、自分はテレビ局スタッフ時代に情報番組などがメインだったこともあり、明確なスケジュール調整は分かりません。

ただ、ドラマの放送時期がかぶっていても、必ずしも撮影時期が一緒ではないということは言えます。ロケが少ない作品ならば、セットを組んで真冬に放送するドラマを、夏に撮影しているなんてケースもあります。今回紹介した5人も、しっかりと撮影時期は局と事務所がスケジュールを調整して、滞りなく撮影が行えるようにしていると思います。

ただ、今後は、掛け持ちの俳優が増えると複雑なドラマ撮影のスケジュール調整がどうなっていくのか、非常に興味が湧くところです。また、器用に役を演じ分けるには、作品への理解力や演技の幅などが俳優にも求められるところ。中には、役に憑依して没入する俳優もいるので、誰でも掛け持ちができるわけではありません。

そういった意味でも、掛け持ちで結果を出せると証明した俳優は、作品に多く出演できるのでチャンスはかなり広がることになります。そして、視聴者として作品を見るわれわれは、TVerなどで掛け持ちしている俳優がどんな役の演じ分けをしているのか気軽に見ることができる楽しみもあります。ドラマの数が増える喜びとともに、作品を見るきっかけの1つにしても良いかもしれません。
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この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。

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