ヒナタカの雑食系映画論 第66回

実写映画版『ゴールデンカムイ』絶賛の嵐となった理由を全力解説! 山崎賢人ら俳優陣の熱演が素晴らしい

実写映画版『ゴールデンカムイ』が絶賛の嵐となっています。なぜここまでの完成度のエンターテインメントとなったのか、その理由を解説していきましょう。(※サムネイル画像は筆者撮影)

りりしく愛らしいけれど「変顔」も似合う山田杏奈

もう1人の主人公といえる少女・アシリパに、山田杏奈以上の適役は考えられません。可憐(かれん)さの中に信念や気の強さを感じさせる役は今までも得意としていたため、見る前から間違いなく最高のキャスティングだと思っていたら、その想像をはるかに上回っていました。りりしい表情で弓矢を弾く様、年上の杉元と対等に接する様は、ずっと見ていたくなるほどです。
 

さらには、爆笑ものの「顔芸」も披露。鍋に入れるみそを「オソマ(アイヌ語でう◯こ)」だと思って嫌ってしまうという、いい意味で小学生男子が喜びそうなギャグシーンがあるのですが、その時の言動はもちろん、ほかの場面で可憐さが台なし(褒め言葉)になる表情がおかしくって仕方がありません。

なお、本作で山田杏奈を知った人には、この『ゴールデンカムイ』に通ずる要素を含んだ映画として、『ミスミソウ』と『山女』をおすすめします。前者はR15+でもやや甘いと思える残酷なシーン満載で見る人を選びますが、復讐に燃える少女の姿は鮮烈な印象を残すはず。後者は排他的な村で追い詰められるも、それでも生きる道を諦めず自然の中に身を投じる姿に、精神的な強さを感じられるはずです。
 

山田杏奈が平和にご飯を作って食べる尊い姿が見たいのであれば、ドラマ『新米姉妹のふたりごはん』(テレビ東京系ほか)を選ぶのもいいでしょう。
 
 

狂気を見せるどころかターミネーター化する玉木宏

玉木宏が演じるのは悪役である鶴見中尉。「失礼、(戦争で頭蓋骨が損傷したため)感情が高ぶると変な汁が出るようになってしまいまして」といんぎん無礼な物言いをする様からすでに狂気を感じさせますし、とある「ロウソク」に例えて脅しをきかせる場面での「笑顔」はトラウマになりそうな勢いでした。
 

いい意味で笑ってしまったのは、終盤のアクションで見せる「走り方」。玉木宏が『ターミネーター2』の液体金属ターミネーターのパロディをしているような、生身の人間が演じているはずなのに「あり得ない」と思ってしまうその瞬間は必見です。その後の「変態」と称される、とある言動も狂気と笑いが混在していて最高でした。

その玉木宏は多くの作品で善人を演じてきましたが、『この子は邪悪』ではその印象を逆手に取ったかのような、「正しそう」な印象こそが恐ろしいサイコパスを演じていたこともありました。今後もヤバい悪役をもっと演じてほしいと心から思えます。
 

そのほかにも、マキタスポーツ、眞栄田郷敦、工藤阿須加、舘ひろし、柳俊太郎、泉澤祐希、大谷亮平、勝矢、高畑充希、木場勝己、大方斐紗子、井浦新、津田健次郎(ナレーション担当)と、それぞれが文句のつけようもありません。見た後に「あの人が良かった!」「この人もすごいぞ!」と、推したい俳優について語りたくなるのも、この実写版『ゴールデンカムイ』の大きな魅力でしょう。
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説得力のある大掛かりなロケとセットに感服
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