世界を知れば日本が見える 第38回

将来に「希望を感じていない」のは日本だけ? 海外の若者は“自国の未来”をどう感じているのか

政治や経済などにおいて「日本人は現状と未来について悲観している」といった調査結果をたびたび目にする。では、ほかの国の若い世代は自国の未来をどう感じているのだろうか。データを基にひも解いていく。

将来に「希望を感じていない」のは日本だけ?
将来に「希望を感じていない」のは日本だけ?
今年、日本人についてこんな調査結果がニュースになった。なんでも、アジア諸国の若者たちに対して意識調査を行ったところ、日本の若者はほかのどの国よりも「自分の将来は暗い」と答えたという。しかも、2位のシンガポールよりもそう答えた人の数は3倍多かった。
 
日本人は現状と未来について悲観している――。日本人のこうした傾向はほかの意識調査などでも見られる。アメリカの大手広報会社エデルマンが2022年に行った調査でも、今後5年間で自分と家族の経済的な見通しが「良くなる」と答えた人の数を見ると、日本は15%で世界各国と比べても最低だった。

ただ特に気になるのは、やはり、これからの日本を支えていく若い日本人が将来について悲観的に見ているという傾向だ。そこで単純な疑問が湧く。世界の若者も日本人のように将来に希望をもっていないのか。そこで、世界的に若い世代が自分の国に希望を見出しているかどうか、深掘りしてみたい。

日本の若者は、ダントツで「国の経済状況」に悲観している

まず、冒頭の調査結果で紹介したように、実際に日本の若者世代は本当に希望をもっていないのだろうか。いろいろみていくと、これは間違いなく実態を反映しているようだ。なぜならほかの調査でも同じような結果が出ているからだ。
 
例えば、2021年に公開されたユニセフとギャラップの調査では、世界の15歳から24歳に、自分たちの時代は「親世代よりも豊か」かどうかを聞いている。それによれば、日本人では現在のほうが豊かだと答えた人は28%しかいなかった。世界と比べても最低レベルだ。参考までだが、アメリカは43%、ドイツは54%が現在のほうが国は豊かになっていると答えており、日本の若者は国の経済状況をポジティブにみていないことが分かる。

「政治不安」「少子高齢化」に絶望する若者たち

国内の調査でも結果は同じだ。インターネットサービスプロバイダーの「BIGLOBE」は9月、全国の18~29歳の男女1000人を対象にして若年層の意識調査を実施している。それによれば、「日本社会の未来に希望を感じていない」と答えた人は、74.6%にも上っている。その理由は、「政治に期待が持てない」「少子高齢化が進んでいる」「自分の資産が安全ではない」というものだった。最近も、政権与党がパーティー券から裏金作りをしていたことが問題になったり、野党が与党の代わりとして国を率いる選択肢になれていないことが指摘されているが、そうした状況を考えると、今後もさらに若者が日本の未来を悲観するような状況が続く可能性が高いと見ていいだろう。
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海外の若者は、どう感じている?
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