恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第82回

「湘南新宿ライン」の運行パターンはなぜ複雑なのか、簡単に理解する方法を解説

「湘南新宿ライン」は行先が多岐にわたり、さまざまな列車が同じ線路を走る。そんな複雑で分かりにくい湘南新宿ラインの運行パターンを分かりやすく解説する。

湘南新宿ラインと同じ線路を走る列車

埼京線
恵比寿付近を走る埼京線の電車

埼京線は、北へ向かう電車は、大宮、川越行きだが、池袋を出ると赤羽線経由となり、経路が異なるため浦和には停車しない(かわりに武蔵浦和、中浦和に停車する)。南行きは、大崎行き、あるいは大崎からりんかい線経由で新木場まで行く。武蔵小杉や横浜方面には行かないので注意を要する。
相鉄直通
新宿駅に顔を見せる相鉄のヨコハマネイビーブルーの電車

相鉄・JR直通線は、新宿から南での運行がほとんどだ。大崎からは横須賀線が走る線路を通る。武蔵小杉を発車すると横須賀線とは分かれ、貨物線経由で羽沢横浜国大に向かい、そこから相鉄線に乗り入れる。ヨコハマネイビーブルーの車体なので区別がつくと思うが、JRの車両の場合は埼京線と同じ電車が使われるので、大崎から先は乗り間違えないように注意したい。
 

同じ線路を走る特急列車

NEX
原宿駅を通過するNEX(成田エクスプレス)
池袋・新宿~大崎では、品川、東京駅経由で成田空港へ直通するNEX(成田エクスプレス)や、毎日ではないが踊り子、サフィール踊り子、湘南新宿ラインが東海道本線に直通している。
スペーシア
新宿駅で発車を待つ「スペーシアきぬがわ」
新宿から北へ向かう特急では、東武日光に直通する特急「スペーシアきぬがわ」「きぬがわ」がある。朝の上りでは、特急「あかぎ」が高崎から新宿まで平日のみ1本だけ設定されている。

同じ線路を多種多様な列車が行き交っているので混乱しやすいが、車体の色や行先をしっかり確認すれば、間違えることも少ないであろう。要は発車間際に慌てて駆けこまないことだ。余裕をもって利用したい。
 
この記事の筆者:野田隆
名古屋市生まれ。生家の近くを走っていた中央西線のSL「D51」を見て育ったことから、鉄道ファン歴が始まる。早稲田大学大学院修了後、高校で語学を教える傍ら、ヨーロッパの鉄道旅行を楽しみ、『ヨーロッパ鉄道と音楽の旅』(近代文芸社)を出版。その後、守備範囲を国内にも広げ、2010年3月で教員を退職。旅行作家として活躍中。近著に『シニア鉄道旅の魅力』『にっぽんの鉄道150年』(共に平凡社新書)がある。
 
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