恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第82回

「湘南新宿ライン」の運行パターンはなぜ複雑なのか、簡単に理解する方法を解説

「湘南新宿ライン」は行先が多岐にわたり、さまざまな列車が同じ線路を走る。そんな複雑で分かりにくい湘南新宿ラインの運行パターンを分かりやすく解説する。

連載「鉄道雑学ニュース」
乗り物の域にとどまらず、見ても、撮っても、もちろん乗っても面白い鉄道の世界。知れば知るほど奥が深くて面白い鉄道に関する最新情報&雑学を、「All About」の鉄道ガイドで旅行作家の野田隆が自ら撮影した駅舎や車両画像とともに分かりやすく解説する。


渋谷、新宿、池袋を経由し、北は高崎や宇都宮方面へ、南は逗子や小田原方面へ直通する「湘南新宿ライン」。行先が多岐にわたる上、都心では埼京線や相鉄・JR直通線、NEX(成田エクスプレス)などの特急列車も同じ線路を走っているので、複雑怪奇に感じる人も少なからずいるようだ。そんな人のために、湘南新宿ラインについて分かりやすく解説しよう。
 

湘南新宿ラインとは

渋谷付近を走る湘南新宿ライン
渋谷付近を走る湘南新宿ライン

湘南新宿ラインとは、正式な路線名ではなく、列車の運転系統名である。もともと上野駅や東京駅が終点であった中距離電車の利便性を向上させるために生まれたものだ。

山手線と並走する山手貨物線が貨物列車の減少や武蔵野線経由に移ったために余裕ができたので、それを旅客線化することとなった。埼京線、成田エクスプレスなどに続き、2001年12月に誕生した。

運転系統は2つある。1つは、高崎線~山手貨物線~東海道本線を直通するもの。もう1つは、東北本線(宇都宮線)~山手貨物線~横須賀線を直通するルートだ。
 

都心での乗り換え解消のために誕生した湘南新宿ライン

元来、高崎線や東北本線の利用者は上野が終点だったため、都心の他のエリアへ向かうには乗り換えが必須だった。さらに横浜方面へ向かうには、いったん東京駅に出て、再び東海道本線の列車に乗り換えなければならず、大変面倒だった。

しかも山手線をはじめ、どの電車や駅も混雑が激しく、行程は難行苦行の連続だった。これを少しでも解消するために湘南新宿ラインは生まれた。

このルートは池袋、新宿、渋谷という副都心を経由するため、乗り換えなしで目的地にたどり着ける人は増えたようだ。湘南新宿ラインが誕生した頃は、東北新幹線が東京駅に乗り入れるための用地確保のため、上野駅から東京駅に向かう中距離・長距離列車用の線路は剥がされてしまい、直通運転が出来なくなっていた。必然的に、首都圏の南北を直通するには、湘南新宿ラインのルートしか残されていなかったのだ。
 

>次ページ:上野東京ライン、もう1つの都心貫通ルート
 

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