世界を知れば日本が見える 第28回

中国がバブル崩壊で日本化? いま中国で何が起こっているのか

中国経済はコロナ禍以降も復活しないばかりか、深刻な逆風にさらされている。なぜそのような事態になってしまったのか。いま中国で起きていることとは。

今後、最も警戒すべきは

2022年、ゼロコロナの対応への反政府デモが北京市や上海市でも行われ、世界で大きく報じられた。政府の政策への抗議も発生しており、今後の経済状況によってはさらに激しいデモが起きる可能性もある。そして2023年8月には、過去最悪水準にある若者の失業率について、今後は発表を取りやめると発表。国民の不満につながらないための措置だと見られている。

今後、抗議デモなどが国内の不安定化につながることになれば、経済活動に悪影響を与え、外国投資もさらに減少することになるだろう。

そして最も警戒すべきは、こうした国内の不安定化による国民の不満をそらすために、国外で軍事的な動きを見せる可能性があることだ。そう、台湾有事である。

最も警戒すべきは台湾有事
最も警戒すべきは台湾有事

台湾有事が起きると、戦場は台湾にとどまらず、日本やアメリカも巻き込まれることになるだろう。中国の経済低迷は、日本の経済にも影響を与えるが、安全保障でも脅威につながる可能性がある。

世界第2の経済大国である中国の状況は、他国にも経済面で多大な影響を与える。これからさらに状況が悪くなる可能性がある中国のカントリーリスクを踏まえ、日本も心構えをしておく必要があるかもしれない。
 

この記事の筆者:山田 敏弘
ジャーナリスト、研究者。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフェローを経てフリーに。 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)、『世界のスパイから喰いモノにされる日本 MI6、CIAの厳秘インテリジェンス』(講談社+α新書)。近著に『プーチンと習近平 独裁者のサイバー戦争』(文春新書)がある。

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