コロナ後に明らかとなった“不吉”なデータ
ところが最近、不吉とも言えるようなデータが相次いで明らかになっている。まず中国国内を見ると、ゼロコロナ政策の終了で消費が回復していない。1~3月の消費は大方の予想通りにある程度は復活したが、4月以降は消費は鈍化。その中でも注目されたのが不動産である。
中国にとって、極めて重要な住宅市場は軟調になっている。中国では、国内経済の約5分の1は不動産業が占める。そして現在、不動産企業は過剰供給などで莫大(ばくだい)な債務を抱え、需要の低下という厳しい状況に直面している。それによって不動産価格が低下することで、国民は不動産購入を控えるようになった。事実、中国の研究所の調査では、不動産取扱量は前年比で6月は19.2%減少しているという。不動産価格もさらに下落し、これが冒頭の経営破綻につながっている。
多くの中国人の資産は不動産につながっているケースが多い。つまり、不動産価値が下がれば、中国人は不動産以外でも消費を控えるようにもなる。さらに自治体などもコロナ禍から続く財政難が響き、財政支出を控える傾向になった。それにより、消費はさらに落ちている。
一般の消費が冷え込んで需要が低下していることで、外国からの輸入も減少。2023年1~7月の輸入額は7.6%低下した。