中国国内では失業率と人口減の問題も
さらに中国では、失業率と人口減の問題が、国内を不安定化させるリスクとなる可能性がある。
2023年1月、中国では2029年まで起きないと見られていた人口減少が2022年に始まったことが明らかになった。2022年に人口が前年比で85万人減少し、現在の14億1175万人となったのだが、これは1961年以来初の人口減を意味する。
これにより、中国では今後、急速に高齢化が進むことになり、人口減で労働力が減少するなどして、経済成長が低下していくと見られている。しかも中国共産党の締め付けが強いため、国外に人口が流出する傾向も高まると分析されている。
また国民、とりわけ、若者層の不満も高まりつつある。というのも、中国政府ではこれまで、国民に対して経済成長は続けるので自由や人権については文句を言わせない空気をつくってきた。
社会問題化する若者層の就職率
ところが経済成長に限りが見えてきた今、国民のフラストレーションが噴出する可能性がある。そこにきて、大きな社会問題になっているのが、若者層の就職率だ。
実は中国の国家統計局は、2023年3月の若者(16~24歳)の失業率を19.7%と発表している。その後もその数は悪化を続けているが(7月の政府発表の失業率は21.3%)、実際には3月の失業率自体に職探しをしていない人は含まれないために多分に過小評価されており、現実には46.5%に達していた可能性があると北京大学の副教授が指摘した(それを指摘した記事は現在削除済み)。