ここがヘンだよ、ニッポン企業 第17回

長時間労働は悪なのか、若手社員ほど残業時間が少ない日本

若手ほど定時で帰り、管理職世代ほど残業をしている、といった企業もあるのでは。なぜこのような「世代間ギャップ」が浮かび上がるのかというと……。

今の若手社員と30~50代が新入社員だった頃の違い

今の若手社員が学生だった頃、新入社員が長時間労働やパワハラで過労死や自殺をするという痛ましい事件が続発して、「ブラック企業」という言葉が世にあふれて社会問題化した。そこで2019年4月から大企業、2020年4月から中小企業を対象に年間の時間外労働を原則360時間以内とする上限規制ができた。

法改正のポイント(出典:厚生労働省「働き方改革関連法解説」)
法改正のポイント(出典:厚生労働省「働き方改革関連法解説」

しかし、今の30~50代は違う。新人だった頃は、長時間労働とパワハラは「通過儀礼」みたいなもので、誰もが1度は通らなくてはいけないほどありふれたものだった。

自分の仕事が終わっても、若手は仕事を早く覚えるために先輩や上司に「何か手伝いますか」と聞いて回ると「見込みがあるヤツだ」なんて言われた。業種によっては上司や先輩よりも先にオフィスを後にするなど「言語道断」ということもあり、若手は合コンや飲み会をした後でも、とりあえずオフィスに戻って、大した仕事がなくても周囲に「仕事してますよアピール」をするなんてこともあった。

つまり、今の若手社員にとって長時間労働は「悪」だが、30~50代のベテラン社員からすれば長時間労働はあまり褒められたものじゃないけれど組織で生きていくためには受け入れないといけない「必要悪」という認識だ。このギャップが、そのまま労働時間の長さに反映されているというワケだ。
 

>次ページ:長時間労働を「全否定したくない」人々
 

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