日本人がX(旧Twitter)を好きな理由
日本人はなぜX(旧Twitter)が好きなのか。もともと2008年に日本でサービスを始めたX(旧Twitter)だが、アメリカ以外で初めての海外拠点が日本だった。日本ではすぐに人気になり、よく知られている通り、2011年に発生した東日本大震災でもインフラのような役割でコミュニケーションの手段として使われた。
Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏の知人と話をした際に、「ジャックは、本人も想定もしていなかった使われ方が日本でされていることに関心していた」と話していたのをよく覚えている。
また以前、筆者が日本法人幹部から直接聞いた話では、日本人がX(旧Twitter)を好きな理由は2つあるとのことだった。1つは「本音を出しやすい匿名性」。さらには、「ユーザーは気が付いていないかもしれないが、俳句の文化があって言葉遊びが根付いている日本に、X(旧Twitter)がうまく合致したのではないか」と分析していた。
とにかく、ずっと日本人はX(旧Twitter)が大好きで、X(旧Twitter)は日本人に育てられてきたということである。
マスク氏は2022年の買収後にTwitter社内向けの初めてのスピーチでこう語っている(参考)。
「われわれは日本で驚くような市場シェアがある。たぶん、いつも面白いツイートは日本で起きている。そういうツイートはアメリカなどでは見ることがない」
マスク氏は、買収しても日本のユーザーを大事にしようという意思は変わらないようだ。その上で、彼のビジョンをこう述べている。
「いろいろな国、いろいろな言語グループのツイートを取り上げて、さまざまな国、さまざまな言語グループの人たちに向けて、興味深くて愉快な面白いアイデアを紹介することは、とてもエキサイティングなことである」
もっとも、マスク氏による買収以降、ユーザー数は減少傾向にあるので、これから彼の手腕が注目される。