
特に6月は、学校関係者の間では「魔の6月」とも称され、学級が荒れやすくなる時期だそうです。新学期の緊張が緩み、子どもたちの人間関係のトラブルが起きやすい時期だとも言われています。
4月、5月を何とか乗り越えて登校できたとしても、6月に入って不登校やさみだれ登校になってしまうケースも少なくありません。これは、天候が不安定で体調を崩しやすい時期であることに加え、体調が悪くなると気持ちも滅入りやすく、さらに祝祭日もないことから、子どもたちの頑張りが限界に達してしまうためかもしれません。
このような悪条件の重なりが影響している可能性があるのです。
30万人の不登校から見えてくる、日本の教育の今
現在、日本の学校における不登校児童生徒数はうなぎ登りで増加し、30万人を超えています。この状況から、現状の学校教育システム自体が機能不全を起こしているという見方もあります。学校に行きたくないという個人の問題だけで論じられるべきではないでしょう。とはいえ、目の前の子どもが学校に行けない状況になったら、親はどう対応したらいいか悩むと思います。事態を悪化させないために親はどうすればいいのでしょうか。
今回は、不登校専門家で保護者サポートをしている野々はなこさんと、学校に行かない時間を豊かな学びにつなげる「のびーくフリースクール」代表の東美希さんに話を聞きました。
ゴールは学校に行かせることではない
お2人に共通していたのは、「ゴールは学校に行かせることではない」という言葉です。たいていの場合、子どもから「休みたい」「学校に行きたくない」と言われたら多くの親はびっくりし、その原因を明らかにして学校に行かせようとするのではないでしょうか。
でも、学校に行きたくない理由はさまざま。原因が複雑に絡み合っていて特定するのは難しいです。
「当事者の子どもも、何が原因なのかはっきり分からないのですから、原因を追求するのは意味がない」と、長く不登校の生徒の支援をしてきた野々さん。実際何年もたってから「あのとき〇〇のせいだったかもしれない」と話してもらったケースをたくさん聞いてきたそうです。子どもたちが不登校の原因を語り始めるのは、元気になってから。
ですから、まずは「本当は行きたくない」という気持ちを受け止める。そこからしか、解決はないのです。