AIに負けない子の育て方 第23回

「学校に行きたくない」その一言に隠された、子どもからの本当のSOSとは【不登校専門家が解説】

学級が荒れやすくなる魔の6月。子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、まず親がすべきこととは? 思春期の不登校専門家と、学校に行かない時間を豊かな学びにつなげるフリースクールの代表に話を聞きました。

学校に行きたくないと言われたら?

では、子どもから「学校を休みたい」と言われたら、親はどうすればいいのでしょうか。

「学校に行ってほしかったら、休む勇気を」と、東さんはアドバイスします。

しかし、一度休んだら不登校になってしまうのではないか、と不安になるのは当然です。行くのがつらそうだけど、「行きたいと言っているから」「連れて行けば何とかやっているから」と考え、学校へ行くことを応援するのではないでしょうか。

「でもこれは危険です。どんどん元気がなくなり、無気力になっていきます。行きたくないのに、『行かない』という選択肢がない。自分の心が踏みにじられたり、削られたり、そんな気持ちになる。だから、無気力になっていくのです」と東さん。

不登校の原因がさまざまある中で、「無気力」が最多なのは、このような葛藤が原因なのかもしれません。

「『休んでいいよ』と言うから不登校になるのでなく、『行きたくない』という気持ちが続いたり、強くなったりして、不登校に至る」という話を聞いて、最初の対応を間違えて事態を悪化させているケースも多いのではと思いました。

それでは、悪化させないためにはどう対応すればいいのでしょうか。

子どもの状態をよく把握する

まず親がすべきことは、身体症状や外傷などの把握です。発熱や頭痛、下痢や嘔吐(おうと)、見た目で分かる異常なじんましんや過呼吸、身体に傷がないかを確認します。

健康状態をチェックし、緊急性が高いなら専門の病院を受診。緊急性が高くないなら、一般の内科に行って1週間ほど様子を見る。

それで、症状が軽くなって学校に行けるようになるならそれでよし。いいときと悪いときがあるならさらに子どもを観察しましょう。
 
もし傷や打撲がある、自傷行為があるときも、子どもを問い詰めないように様子を把握しながら話を聞きます。その上で学校や専門機関に相談をしましょう。
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焦りは、子どもの心を遠ざける。だからこそ……
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