ヒナタカの雑食系映画論 第27回

なぜ人気? 1980年代から続く「日本のヤンキー映画」の系譜。大ヒット中の『東リベ2』からも魅力を探る

前後編で公開されている『東京リベンジャーズ2』が大ヒット公開中。ヤンキー映画の系譜を振り返り、『東リべ』に至るまで、ヤンキー映画のどのような面が支持され、人気を得たのかを考察してみます。(C)和久井健/講談社 (C)2023映画「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」製作委員会

ヤンキー映画の決定打となった『クローズZERO』

ヤンキー映画の決定打と言えるのは、25億円の興行収入を記録した2007年の『クローズZERO』。数多くのジャンルを手掛けてきた三池崇史監督による、良い意味での悪ふざけギャグや、もはやファンタジーと言ってもいい世界観が特徴的で、まるで『七人の侍』のような雨降りしきる中での乱闘は見応え抜群でした。

小栗旬や山田孝之が見事にインパクト抜群の不良を演じ切っており、やはりヤンキー映画は若手俳優の登竜門的な立ち位置でもあるとも言えるでしょう。​​2009年公開の続編『クローズZERO II』は30億2000万円の興行収入を記録する、さらなるヒットとなりました。
 

ヤンキーものの枠組みに収まらない『HiGH&LOW』

さらにヤンキー映画の枠組みを大きく広げたのが、2015年からドラマが放送され、後に映画も制作された『HiGH&LOW』シリーズ。EXILE TRIBEによる「総合エンタテインメントプロジェクト」と銘打たれており、「全員主役」のキャッチコピー通りに多数のキャラクターが織りなす群像劇にもなっていました。

 

実はプロモーションで“ヤンキー”や“不良”というワードを意図的に避けており、その意味でも幅広い層への訴求に挑んでいる作品でもあります。スケールの大きい独特の世界観、それぞれの身体能力を最大限に生かしきったアクションの数々は、日本の映像界の革命と言っても過言ではないほどのものでした。
 

さらにシリーズは拡張していき、2019年には不良漫画の金字塔と呼ばれる『WORST』(秋田書店)とクロスオーバーをした『HiGH&LOW THE WORST』が公開。漫画『WORST』は『クローズ』(秋田書店)の続編でもあり、前述した映画『クローズZERO』のエッセンスも十分に感じる内容にもなっていました。2022年の続編『HiGH&LOW THE WORST X(クロス)』は7月9日よりNetflixで配信されたばかりです。
 


>次のページ:『東京リベンジャーズ』がヤンキー映画の新たな代表作と呼べる理由
 
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