ヒナタカの雑食系映画論 第26回

最終回直前! 女性主人公の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』がとにかく大盛り上がりした10の理由

放送されるたびにTwitterのトレンドに上がり、最終回の放送に向けてさらに大盛り上がりをしているテレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(MBS/TBS系)。なぜ、ここまでの大熱狂を生んでいたのかを、今一度振り返ってみます。(C) 創通・サンライズ・MBS

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(C) 創通・サンライズ・MBS

テレビアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(MBS/TBS系)が7月2日放送の第24話で最終回を迎えます。同作は放送されるたびにTwitterのトレンドを席巻する話題作。なぜ、ここまでの熱狂的な人気を獲得し、リアルタイムで作品を追う様が大盛り上がりをしていたのかを振り返ってみましょう。
 

1:ガンダムを知らない「次の世代の少年少女」に向けて作っている

『機動戦士ガンダム』は1979年から半世紀近くにわたってさまざまなシリーズが展開してきたロボットアニメであり、その最新作が『水星の魔女』。しかし、他作品との物語上のつながりはないため、今回から見ても問題なく楽しめる内容になっています。
 

岡本拓也プロデューサーは、10代の人からの「ガンダムは、僕らのものじゃない。僕らに向けたものではない」という言葉が突き刺さったこともあり、「50、60周年に向けて、次の世代の少年少女に向けて作りたい」という方向性で企画を進めていたのだとか。後述するさまざまな理由により、それらの世代へ見事に訴求していると同時に、『ガンダム』シリーズのファンに刺さる内容にもなっていました。
 

2:「ダブスタクソ親父」などのバズるパワーワード、衝撃的な展開

『水星の魔女』が放送されるたびにSNSで話題沸騰となる理由は、各話で視聴者の予想を裏切る、もはや笑ってしまうほどに衝撃的な展開、時にはものすごいインパクトのパワーワードが飛び出すことでしょう。Twitterのトレンドには「ダブスタクソ親父」を筆頭に、外ではあまり言ってはいけない感じの言葉もよく並んでいました。個人的に大好きなのが「クソダサPV」。そりゃそう言われるだろうな、とはっきり分かる劇中の動画もYouTubeにアップされています。
 

未見の人のために詳細は秘密にしておきますが、本編前プロローグの残酷な展開は「人の心がない」などと“褒められて”いましたし、第1話のラストは、現代らしい価値観を示しながら“キャラクターの関係性”が気になってしょうがなくなってしまう「つかみ」として秀逸でした。わずか20分弱の話の中で二転三転するテンポの速さ、情報量の多さも手伝って、明らかに「何かをつぶやきたくなる」「リアルタイムで追いたくなる」SNS時代の潮流を見越した作品でもあるのです。
 
 

>次のページ:キャラクターの尊い関係性、怒涛(どとう)の展開にも大興奮
 
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    2024年は漫画の実写化映画の当たり年!? 『シティーハンター』など10作品から「成功の理由」を考える

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    JR九州の新しい観光列車「かんぱち・いちろく」乗車リポ! 他の列車にはない“一風変わった体験”があった