優秀な人材を確保しようと、「賃上げ」をする企業の動きが加速している。
転職サービス「doda」を運営するパーソルキャリアが6月12日に発表した「転職人気企業ランキング2023」でも、上位の企業は例年とそれほど変わらないが、全体的に大幅な賃上げをした企業の人気が上がっているのだ。
「ファーストリテイリング」は48→11位に急上昇
例えば、2022年のランキングで48位だった「ファーストリテイリング」は11位と人気が爆上がりした。
同社は初任給の引き上げを含む最大40%の給与アップを発表したことが高く評価されたようで、投票した人たちのコメントでも、「初任給が高くなったと最近話題だから」「物価上昇の中、給与の引き上げが話題になったから」「賃上げで給料が良さそうだし、働きやすそう」など賃上げに関するものが多くあったという。
また、この4月からパートやアルバイトを含む社員の給料を平均で約7%引き上げた「オリエンタルランド」も2022年の34位から24位へと大きく順位を伸ばした。13位から9位にランクを上げた任天堂も、4月から全社員の基本給と初任給を一律10%引き上げている。
賃金の高い企業には、就職希望の人がたくさん押し寄せる。絶対数が多くなれば当然、優秀な人材の割合も高くなる。その中から企業は自社の欲しい人材を選びやすいので、結果としてその企業には優秀な人材が多く集まってくる。そういう「世界の常識」がここにきてようやく日本企業にも根付いてきているというわけだ。