どうする学校?どうなの保護者? 第1回

習字道具を忘れた子に、鉛筆で平仮名をひたすら書かせ賛否噴出!……そもそも「習字の授業」まだ必要?

「知り合いの子どもが習字道具を忘れて、ひたすら鉛筆で書き取りをさせられた」というツイートに賛否が上がっていましたが、そもそも令和のこの時代に、習字の授業はまだ必要なのでしょうか。

習字の授業は今の時代に必要か

道具の貸し出しうんぬんはいったん横に置いて、しみじみ思うのは「習字の授業はもうやめてもいいんじゃないですかね?」ということです。今回のツイートに対する反響を見ても、同様に考える人は少なくないと感じます。
 
小学校の習字(毛筆)の授業の狙いは、「点画に注意して文字を書けるようになること」「文字を整えて書けるようになること」といいますが、年賀状すら下火になった昨今、日常で筆を持つことはまずありません。せいぜいご祝儀袋の記名に筆ペンを使う程度で、実用的なニーズはほぼゼロの状況です。さらにいえば、スマートフォンやパソコンが普及した今、鉛筆やペンを握ることだって減っています。
 
日本古来の文化を知る、というのも大切なことだとは思います。筆者自身も、うまくもないわりに習字が大好きです。でもだからこそ、学校でやる必要はないと感じます。書道の専門家ではない学校の先生の指導で月に1、2度筆を握ったところで、習字の良さは分からないと思うからです。
 

道具の購入費や、汚れを落とす時間や労力のコストも……

そもそも各家庭に求められる習字道具の費用だって、それなりの金額です。学校からあっせんされる書道セットは一式4000円前後はしますし、さらに冬休みの前には書き初め用の道具の追加購入を求める学校もあります。それらのほかに、半紙(一般サイズと書き初めサイズ)や墨汁を買い足さなければならなかったりもします。
保護者がそろえなければならないものは多い(※画像はイメージ)

習字にかかるコストは、お金だけではありません。墨を使えば、絵の具と同等かそれ以上にいろんなものが汚れますから、手や道具を洗ったり、汚れた机や床を拭いたり、洋服についた墨を落としたりする作業も発生します。先生や保護者が負っているこれらの労力や時間も、見落としがちですが大きなコストです。
 
今は洗濯で落ちるタイプの墨汁も売っていますが、学校からあっせんされる書道セットには入っていません。そのため別途購入することになりますし、それだって洗濯しないと落ちないわけですから、やはり手間は取られます。


>次ページ:学校で教えることを取捨選択してみては?

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