PTAを悩ます「当番表」を廃止! 旗振り・見守り・パトロールをゆるくやる方法

見守りや旗振り、パトロールといった活動の「当番表」に悩むPTAは少なくありません。活動に参加する人にも、当番を組む人にも負担となりやすく、個人情報の取扱いにおいてもよく問題が見られます。最近増加中の「当番表をやめたPTA」を、いくつか紹介します。

【連載:どうする学校? どうなの保護者?ーVol.3ー】

保護者を悩ます「当番表」

小学校区内の見守りや旗振り、パトロールといった活動について、「当番表」を組んで保護者に割り振っているPTAを時々見かけます。
 
一部の人に負担が偏らないよう「公平」を期して導入された仕組みなのでしょうが、このやり方にはいろいろと問題があります。

当番を割り振られた保護者、たいていの場合母親は、仕事を休んだり、乳幼児を連れたりしながら、しばしば無理をして参加することに。取りまとめ役の保護者も、当番表の作成や、デジタル化がまだの場合には印刷作業を学校で行わねばならず、負担が生じがちです。
 
当番を組むために必要となる、保護者名や居住エリアなどの個人情報も、保護者本人の同意なく学校から提供を受けていることが未だに多く、情報の取扱いの面から見ても、見直しが必要です。
 
そういった背景から、最近は「当番表」をやめる例を、ちらほら聞くようになりました。当番の割り振りをなくすのにはどんな方法があるのか? いくつか例をご紹介しましょう。
旗振り・見守り・パトロールをゆるくやる方法とは
 

名簿紛失事故を機に「見守り当番」廃止、3割程度が継続参加

3年ほど前から活動の見直しを進めてきたとあるPTAでは、2022年度から交通見守りの当番を廃止し、「いつでも好きなときに、小学校区内どこでもOK」という形に変え、とても好評だといいます。
 
同PTA役員の佳子さん(仮名)によると、以前は「見守りをする場所・日時」ごとに、各保護者に当番を割り振っていたそう。でももう長い間、このやり方には保護者から不満の声が上がっていました。
 
そんな中、コロナ禍の2021年度、ある地区で当番名簿の紛失事故が発生。住所やメールアドレスなど個人情報が含まれていたため、これを機に思い切って、当番の廃止に踏み切りました。
 
2022年度からは「5月は2年生保護者、6月は3年生保護者」など、ざっくりと「月」ごとに「担当学年」を決め、参加を呼びかける形にしました。1年ちょっと経過した今も、このやり方で特に問題なく継続しているそうです。
 
「毎日やってくれる方もいれば、週に1度やってくれる方や、できない方もいて、参加頻度は人それぞれですが、特に問題は起きていません。全体の3割くらいの方が、継続して参加してくれている感じです」(佳子さん)
 
なお、当番の廃止を決めた際、学校や町内会からの反対は特になかったそうです。名簿紛失がきっかけだったため学校も賛同し、町内会にも丁寧に説明したところ、理解を得られたそうです。
 
町内で交通見守りをするシニアボランティアの中には、「保護者もやるべき」と不満を語る方もいる、と一部の保護者から「伝言で」聞くそうですが、直接何か言われたことはないということです。
 
「保護者からは『見守り当番を廃止してくれてありがとう』という声が、毎月数件は届きます。以前は、自分の子どもを家に置いて参加したり、大きな交差点で下の子の手を引いて旗を振ったり、具合が悪いのに来る人もいたりして、みんな無理をしていたんですね。
 
たまに『お年寄りがかわいそう』と言ってくる保護者もいますが、町内会でも多くの方は理解してくれているものと思います」(佳子さん)
 
なお、この校区はもともと交通事故がほとんどなかったそう。「もし交通量が多いエリアだったら、当番廃止には踏み切りづらかったかもしれない」と、佳子さんは言います。


>次ページ:各家庭への当番の割り振りをやめた
 
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